行こうと思って調べてみるまで全然知らなかったが、大分には見どころが多い。おそらくこれは他の地方都市にも当てはまるのだろう。まだ見ぬ楽しそうな場所がたくさんあるというのがいいことだ。
この日は大分から電車で日田まで行く予定だったのだが、朝ホテルでのんびりしていたらなんか急ぐのも面倒だしという気分になり、予定していた電車を乗り過ごした。電車は1日3本しかないので、急遽高速バスの乗り場と時刻表を調べることにした。大分から福岡に行く高速バスの通り道に日田があるので、それほど待たずにバスに乗れた。
高速からの眺めも良い。ただ問題は、日田の市内ではなく高速で降ろされること。高速のそばにあるバス停からすぐに市内に行ければいいのだが、案の定あまり本数がない。携帯でタクシーを呼ぼうかと思ったが、データ通信のみのSIMカードだった。skype等でかけられなくもないが、google mapを見ていたら高速のすぐそばにタクシーの営業所があったのでそこまで歩いて行った。このとき既にワイン、焼酎、日本酒、味噌、米麹などなど大量にバックパックに入っていたのでかなり重かった。
タクシーで駅前のホテルまで連れて行ってもらって、チェックインを済ませて荷物から解放された。昼ごはんを食べようかと思ったがあまり時間がなかったので、駅前からタクシーでいいちこ日田蒸留所に向かった。
着いてすぐに食事ができるところはないか聞いたところ、焼酎の試飲のみだった。なんで焼酎の蒸留所に小学生がたくさんいるんだろうと思ったら、敷地が広くピクニックに丁度良い場所だった。
特に案内とかはなくて、好きな場所を自分のペースでウロウロできてよかった。
ガラス張りになっていて、大きな設備がよく見えるのがいい。
麦焼酎を作る過程を詳しく解説してくれるのは非常にありがたい。焼酎とウィスキーは何が違うのかとか全然知らなかったし。
自分でお酒を作り始めてから、発酵プロセスに対する親近感が全然違う。
樽の様子も見学することができる。樽の作り方も紹介していた。
そして試飲コーナー。正直これまで焼酎は苦手だった。日本酒と違って全然美味しいと思った経験がない。下町のナポレオンもなんかいまいち自分の口には合わなかった。でも物によっては口当たりの良いのもあるし、風味がよく美味しく飲めるのもあるとここで知った。あと、焼酎というものが数種類の原酒をブレンドして作られたものだと知り、別にストレートで飲む必要はないんだとわかったことも大きい。
ちなみにこの蒸留所限定で原酒も小さなボトルで販売している。通常の焼酎が20度から25度のところ、原酒は40度近くなのでガブガブ飲むとそれはもう酔っ払う。でも、今回いろいろ試飲して焼酎の美味しさがわかって原酒2本と日田全麹1本買った。
タクシーでホテルに戻って荷物を置き、昼ごはんを食べてから今度はバスで小鹿田の里へ向かった。バスの本数が少ないので時刻は事前に確認しておいた。棚田に行くときのように、バスはどんどん田舎に向かって行く。
ここも調べてみるまで知らなかったのだが、かなりユニークな手法を伝統的に受け継いでいるスタイルの焼き物エリアらしい。
水車で何をしているんだろうと思ったら、土を粉砕しているそうだ。
とてものどかな景色だった。
ここで一子相伝で技術を引き継いで、特に作り手の名前も出さずに細々とやっているというのが興味深い。
もちろんここで小鹿田焼きを買うことができる。商売っ気はないけれど、お客さんには慣れた感じだ。
お値段は正直かなり手頃だと思う。クオリティにはばらつきがあるけれども、きちんと手にとって気に入ったものを買えるので問題ないだろう。蓋付きの器などいろいろ買ってしまった。
帰りのバスの乗客はほとんどいなかったが、小学生みたいなのが4人途中で乗って降りた。焼酎試飲の影響で熟睡していたところ、4人のうちの1人に凝視されるという事案が発生したように思う。