DHBR 10月号

B000B58D6WHarvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 10月号 [雑誌]

ダイヤモンド社 2005-09-10
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http://www.dhbr.net/magazine/backnumber/200510.html
ハーバードビジネスレビューを定期購読し始めてから一年経った。
月一冊だが経営の論文集なのでけっこうハードである。
でも積読状態にはなってない。隅々まで目を通して、ちゃんと追いついている。
いわゆるHow to本ではないので即効性があるわけじゃないが、
情報源の一つとして、楽しい読み物として役に立っている。
経営コンサルタントや自営業をやっているひとじゃなくても仕事をする人なら
経営知識と経営感覚を身につけておくべきだとなんとなく思っていて
月一冊のこの雑誌はそれに対して何らかの貢献をしているんじゃないかと
なんとなく思っているけど、実際のところはよくわからない。


10月号はSOX法ばかり。最初なんなのだろうと思った。
サーベンスオクスリー法らしい。内部統制のための法律。
非常にとっつきにくいけど、だからこそ読んだ方がいいと思った。
自分で本屋で買うときは気になったのしか買わないけど、こうやって
定期購読にすると送ってくるから多少バランスがよくなりそう。
ではまた今月も三つピックアップ。


「自己奉仕的バイアス」の影響が監査を歪める
善意の会計士が不正監査を犯す理由
http://www.dhbr.net/magazine/article/200510_s05.html
エンロンアーサーアンダーセン絡みの話や最近ではカネボウ
中央青山監査法人など不正監査がちょくちょく目に付く。
不正監査というと悪徳会計士みたいなのがのさばっていると
思いがちだが、実際のところ必ずしもそうじゃないだろうというのがこの記事。
監査をする会計士にとって会社はクライアントだから、監査の手を
緩めようという気にはならなくても、クライアントに喜んで欲しいという
気持ちは存在するはず。その結果あるとき大目に見たものが、一つまた一つと
積み重なってどうしようもなく大きくなる。監査をする人としては
見逃さないと過去の自分のミスを認めることになってしまうからどうにも
ならない。それでチャプターイレブンとなってしまうようだ。なんか悲しい。
不正という言葉がきつい気がしないでもない。


「他山の石」とできるか
SOX法をめぐる五つの警告
http://www.dhbr.net/magazine/article/200510_s07.html
不正監査ともちょっと絡むが、3番目の証券取引所の関与が気になった。
監査法人にとって監査というのは全然金にならない仕事らしい。
だからコンサルティングに手を出すんだとか。会社にとっても監査には
あまりお金をかけたくないのはよくわかる。別に利益はないから。
この結果監査をするところに人材が集まらず、監査の質が低下する。
それで困るのは会社じゃなくて株主だ。現状では雇い主の監査をするわけ
だから厳しくするわけがない。利害関係がちょっとおかしくなっている。
それよりも株主が監査法人の人を雇って徹底的に監査をすればよい。
その方が理にかなっている。監査がなおざりで困る所がもう一つある。
証券取引所だ。信頼関係に関わってくるのでしっかりやるべきだ。
証券取引所が選んだ人が監査をする、こっちの方がベターかもしれない。
利害関係を考えて利益を享受する人が負担する。非常に説得力があった。


品質か、市場創造か
顧客ニーズの高い未完の技術を製品化すべきか
http://www.dhbr.net/magazine/backnumber/200510.html
品質に定評のある医療機器メーカーの話。
医師らの要望が多い新製品を市場に出したいところだが、7,8%くらい
欠陥がありどうしようか迷っている。迷っているうちに他のメーカーから
似たような製品が出てきて、主力商品のシェアもちょっと奪われぎみ。
さてどうする、といった問題だ。まずいことをやらかすと
訴えられるリスクもあるんだとか。経営者ってなかなか大変だと思った。