潜入ルポ アマゾン・ドット・コムの光と影―躍進するIT企業・階層化する労働現場 横田 増生 情報センター出版局 2005-04 by G-Tools |
本を読み返して、ちゃんとメモを取ってしっかりと紹介をしようと
思ったこともあったけど、それだとどう考えても追いつかない。
今の日記を書くペースでは無理である。そういうわけでとりあえず
最近読んだ本の感想をさらっと書いてみようかと思う。
これは潜入ルポと書いてあるように、著者がアマゾンの配送センターに
アルバイトとして働いたことを書いたものである。オンラインショッピング
についてちょっと調べたことがあるので、アマゾンという会社がどれだけ
秘密主義なのかということはなんとなく知っていた。日本で上場していない
から知らせる必要がないといえば確かにそうなんだけど、全然情報がない。
そういうわけでなかなか貴重な本だと思う。
時給900円で普通のアルバイトかと思ったら一分間に棚から三冊本を
見つけ出してくるという過酷なもので昇給などはなく、アルバイトは
使い捨てという状況らしい。雇い主は日通の子会社だとか。
二ヶ月ごとに契約更新で、数百人に一人その子会社の契約社員になれるとか。
日通の子会社はアルバイト上がりと日通から出向してきた人に分かれ、
その上にアマゾンの社員が君臨するという。なんかカイジを思い出した。
兵藤会長が創業者のジェフベゾス、黒服がアマゾン社員、班長とかが
日通の子会社社員で、時給900円のアルバイトはカイジたちかな。
その時給は850円に引き下げられたわけだけど。
読んでいてなんか気持ちが悪かったのは、この著者がアルバイトの人たちを
見下してたわけじゃないけど、所詮他人事みたいな書き方をしてたとこ。
それはまあ流通業界誌みたいなのの編集長をしてた人だからいいんだけど
わざわざ現代の奴隷制度みたいなのをとりあげるだけとりあげて、放置したら
ちょっとむごいんじゃないかと思った。そもそも触れないか、まともな
打開策を示すとかしないとなんか中途半端な気がした。
取次ぎを通さず買取とかブックオフとの関係とか本屋の今後に関わる
ことがいろいろ出てくるのでなかなか興味深い本ではある。