倒産しても立ち直れる社会を作る

セントラル総合研究所代表取締役の八木宏之氏のインタビューが
非常に面白かったので取り上げようと思う。
(週刊エコノミスト2005年3月15日より)

今の日本は負けた人間が復活できません。そうなるとだんだん競争を避け、談合になってきます。資金繰りに行き詰まると夜逃げするしかなかった日本に歯医者が復活できる社会を作る。この敗者復活ファンドは循環型経済を実現するための企業再生ツールです。

日本にもこういうのが出てきたみたい。非常に良い傾向だと思う。

敗者復活ファンドはセントラル再生基金と名づけられ、2004年12月に立ち上げた。再生基金のコンセプトは債務者の自宅が確保できる。なるべく破産をしないようにしよう。この二点です。
担保である不動産を再生基金に任意売却する申し入れをし、銀行の承諾を得た後、再生基金が債務者経由で銀行に代金を支払う。債務者は再生基金から自宅を賃貸住宅として借りて、住み続けるという方式である。

債務者の不動産を買い支えるツールだそうだ。コンサル側はリスクを全て把握、
低減できてローリスクミドルリターンを狙えるらしい。
やはりビジネスとして成り立っているからこそできるんだと思った。

フランスの保証債務の買い取り会社の仕組みをアレンジしました。フランスは二本以上に零細企業が多く、企業が債務を買い取るファンドを持っています。ファンドはサービサーを通して会社を清算して再生させるのです。
同様のファンドはオランダやドイツにもあって、イギリスには敗者復活そのものをビジネスにしている企業もずいぶんあります。スカンジナビアの国々では、破綻企業の経営者の国の納税者として守る制度があります。海外と比べてみると日本はすごく冷たい国に見えるのです。

ヨーロッパにも敗者復活ってあるんだな。シリコンバレーだけ特殊なのかと思ったけど
むしろ日本の方が特殊なのか。やはり世界的にどうなっているのかということは
きっちり調べて比較しておいた方が良さそうだと感じる。

再生ノウハウなんて2年経ったら時代遅れです。世の中の流れの方が速くてすぐ陳腐化してしまう。ノウハウをどんどん出すと相手からも事例が聞けてノウハウそのものが成長していきます。
言ったら倍になって返ってくる。それは交渉が一回で済むということでもあるし、仕事が入ってくるということでもあります。交渉力の下地のある人にノウハウを教えると、その人はすぐに成長します。

オープンにすることに価値があるというのは、非常に広い範囲に適用できるのかもしれない。
give and giveというのは1年以上前から感じていたことだけど、まさにそうなんだろう。

私は銀行系リース会社の回収担当をしていたのですが、回収先の経営者は事業の存続に命がけになっています。そういう人たちからお金を取っていました。回収先に電車に飛び込まれることもありました。
何か違う仕組みがないと、負うべきではないリスクまで誰かが負うことになります。

事業というのは真剣に死に物狂いでやるものだろうけど、命を懸けるのは違うと思う。
多くの人が関与してリスクを薄めればそういうくだらない状況は回避できるはずなので
いろいろなところでこういうシステムができるといい。シリコンバレーにはすでにあるか。

数字には怪しい数字と本当の数字の二通りがあります。怪しい数字は5、3、8(ごさんぱち)。たとえば410万円の支払いがあるとき、つい500万円借りてしまうものです。500万円というのは借りやすいし人に言いやすい。300万円というのも切りがいい数字です。
反対に信用できる数字は3、6、9(みろく)弥勒菩薩に引っかけて弥勒の数字といっています。見積書にはこの弥勒の数字を使うといいのです。
手形に3が入ったときどちらの意味なのか見抜くのが大事です。これらを数理の言霊、数霊といいます。

言われてみると確かにそうだと思う。人に言いやすい数字は怪しいという感覚が重要なんだろう。
こういう話ってなんか面白い。

畑を耕すには桑や隙があったほうがいい。それと同じで経済をうまくまわすためにはお金があったほうがいいのです。だから桑や隙がうまく使えなかったからといって電車に飛び込むのはおかしい。お金は道具なんだから、道具がうまく使えなかったからといって自殺する必要はないのです。

道具を使うことが人生そのものになってしまうのはなんか悲しいと思った。
もうちょっと気楽に考えることも大切なんだろう