はじめの一歩を踏み出そう―成功する人たちの起業術 マイケル・E. ガーバー Michael E. Gerber 原田 喜浩 世界文化社 2003-05 by G-Tools |
最近自分でビジネスを持つとかそんな感じの話を聞いて、一冊の本を思い出した。
それがこの「はじめの一歩を踏み出そう」である。かなり読みやすいし、
話が非常に具体的で参考になる。自己啓発本ってわけじゃないのでおすすめだ。
大雑把に言って人には「起業家」「マネジャー」「職人」という三つの
タイプがあり、どれがいいとかそういうのではなくて、この三つの役割が
うまく機能することが成功のために不可欠というようなことが書いてある。
ビジネスが失敗する例として非常に多いのは、独立後も職人タイプが
以前と同じようにやって失敗するケースだという。この本では実際に
パンを作るのが好きな人が自分の店を持ったケースが取り上げられている。
雑用もなんでもやらなければならず、徐々に店を続けていくのが嫌に
なるんだけどどうにもならないという話。人を雇ったり、やめられたりと
非常に詳しく書いてあってリアリティもあるので参考になる。
この本を読んで一つだけひっかかる点があった。
それは理想としているのがマクドナルド型に感じられる点である。
どういうことかというと、よいシステムを作れば誰でもそこに入れる
というのが理想であり、人の特性に依存した組織ではいけないという
ことが書かれているのである。フランチャイズではまさにそうだろう。
でも個人的に理想の組織というのは尊敬できるすごい連中が集まってて
その人たちの特徴を最大限に活かしたものじゃないかと思ってて
そうなれば楽しいんじゃないかと感じている。仕組みだけを作って
あとは放っておけばまあ楽なんだけど、あまりおもしろくないような
気がするのである。人それぞれかもしれないけど。
いろいろと考えさせられる本である。多少関連することだが、京都に居たときに、
パン屋を経営している人と話したことがある。長く休みがとれないとか
朝早くから夜遅くまで働かないといけないとかいろいろと話を聞いたが
結局のところなんでそんなことをしているのか理解できなかった。
長年やっているからそれが当たり前になっててやってるだけだろうけど。
今の職種を他の人に言うと、資格を取って独立とか言われることが非常に多い。
自由にやりたいという気持ちはあるんだけど、独立すると自分でやるべき雑用が
非常に増えるし、自由とは程遠いと感じているので毎回否定している。
http://www.cotton-tree.com/garyu/archives/2005/11/salon_de_jtpa.html
上司の下で仕事をするのは耐え難いが、部下を持って仕事をするのは更に耐え難い
部下なんて居ないんだけどなんとなくこれは想像できる。
だから自分が独立して何かをするなんてことはまずありえないだろう。
ただ、自分の尊敬できる友人が何かを始めようとしていて、それが面白そうで、
自分が入ることにより現実味が増したり大きく前進したりするようなことがあれば
そこで一緒に何かをするってことはありえるような気もする。
でもそのためにはその相手から使えるやつと思われないといけないわけで
それは非常に難しいことだと思う。自分にしかできないことがないといけないだろうな。