たまに小説が読みたいなあと思って買ってきた本。
歩行祭というイベントだけで、最後まで書いちゃうのってすごいと
思ったけど、そういえばこの人はこういうタイプだと思い出した。
これまでに4冊か5冊読んでたので、なんとなく雰囲気はわかる。
夜のピクニック | |
恩田 陸 おすすめ平均 秀作 プロローグはいらない いいと思う。 ゴールがスタートだ みんなで夜歩く。ただそれだけのことがどうしてこんなに特別なんだろう Amazonで詳しく見る by G-Tools |
書評しようと思ったのに、またじっくり読んでしまった。
すがすがしいお話。自然に入りこめて楽しめる。
ただ歩くだけの話なのに、面白い。
あたしも、人に、できるかどうか分からないようなお願いはしないし人の記憶に頼ったりしないよ。でも、あたしは覚えている。あたしの記憶はあたしだけのもの。それでいいんだ。
過ぎてしまえば、みんなで騒いで楽しく歩いていたこと、お喋りしていたことしか思い出さないのに、それは全体のほんの一部分で、残りの大部分は、仏頂面で、足の痛みを考えないようにしてひたすら前に進んでいたことをすっかり忘れてしまっているのだ。
「そりゃ潔くて感情安定しててマイペースだっていうのは偉いよ。だけど、何も見ないふりするっていうのは気に食わないね」
みんな、ギラギラしてるからね。僕たちは、内心びくびくしながらもギラギラしてる。これから世界のものを手に入れなきゃいけない一方で、自分の持っているものを取られたくない。だから、怯えつつも獰猛になってる。だけど、甲田さんは、ギラギラもびくびくもしてないんだよね。
貴子は苦笑した。
それって、最初からあきらめてるってことじゃないの?
ううん、違うよ。甲田さんは許してるんだ。他人から何かもぎとろうなんて思ってないし、取られても許すよってスタンスなんだ。それも、取られる前からね。
なんか書こうかと思ったけど、まあいいや。ピックアップだけにしとく。