2008年に読んだ本の中から

それじゃあそろそろまとめに入ろうか。

経験でしか学べないこともあるけど、本でしか楽しめないこともある。

今年読んだ本の中から - technophobia

なんてことを書いてから一年。今年もなかなか面白い本に出会った。

本を読めない人がいるなんて信じられないという気持ち、読書に対する想いが、
多くの人に共感され、共鳴し、大きな力になる。うまくフィットする分野だったんだな。
この例では、たまたま読書だっただけで、自分がこよなく愛するものなら
全力で情熱をささげられる対象になり得る。それを見つけて行動するのが大事。
やりたいことではなく、やったことを示す。ビジョンは大きく、目標は具体的に。

マイクロソフトでは出会えなかった天職 - technophobia

押しつけがましくなく、読んでいて心地よい本だったと記憶している。
社会貢献とか堅苦しいことを考えずに、楽しむという姿勢がいいな。

メインは、第6章のイノベーション仲介モデルだと思う。そこまでの流れを簡単に書くと、
要するに、社外で出てきた研究の成果を社内で活用したり、社内の研究の成果を
社外で活用してもらったりしようよ、せっかくの研究が埋もれててもったいないよって話。

オープンビジネスモデル - technophobia

いろんなバックグラウンドを持つ人が集まって、わーわーブレストやって
なんか面白いことができたらいいな、ということはもう5年くらい前から思ってる。
そのときに自分がなんの専門家で、どんな風に貢献できるのか考えていた。

オープンビジネスモデル つづき - technophobia

これは2回に分けて書いた。特許と研究開発の絡みが今後もっと
重要になっていくんだろう。一例として興味深い本だと思う。

ローマ帝国って実用一辺倒で、工学っぽい感じがする。
いわゆる役に立つことばっかりやってたら、抽象数学が重視されないな。
効率ばっかり追い求めたら、数値化ばっかりし続けたら、こぼれ落ちるものが多そうだ。

ユークリッドの窓 - technophobia

自分の常識というやつが、つくづく疑わしい物に感じられる。
グラフを考え出した人がいて、それ以前にグラフは存在しなかったのか。
当たり前に感じている物が当たり前じゃないことを認識しておこう。

ユークリッドの窓 つづき - technophobia

数学と物理を行ったり来たりするこの本も非常に面白かった。
先人の知恵に容易にアクセスできるというのはいいものだ。

古典を読むと、けっこう遡っているわけで、これ以上遡るのは大変なわけで
いろいろなものの元ネタみたいなものがみえるような気がして楽しい。
習慣に少しずつ組み込んで行くと、視点が変わってもっと楽しくなるかもしれない。

イリアス 上 - technophobia

古典は取っつきにくいけど、読み始めるとけっこう面白い。
読むきっかけを与えてくれたせるげー先生に感謝。
実はオデュッセイアを読み終え、昨日俳句の本を買ってきた。

大学の頃には数学を道具としてしか使わなかったし、工学系の勉強とかビジネス書を読むとか
いわゆる「役に立つ」ことばかりしてた気がする。それはそれでいいんだけど、
世の中には「役に立つ」かどうかに関わらず、素晴らしいことがたくさんある。
そういう当たり前のことを思い出させてくれた人々に感謝したいと思う。

数学ガール - technophobia

最後はやはり数学ガールかな。ゾクゾクする解法がすばらしかった。
来年もまた素晴らしい本に出会いたいものである。