僕が2ちゃんねるを捨てた理由

成田空港の本屋で見つけたので買った。
僕が2ちゃんねるを捨てた理由 (扶桑社新書 54) (新書)
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ひろゆきらしく、いろいろストレートに書いていて楽しい。

ユーザーが、いろいろなデータを簡単にネット上に上げられるようになった。そのデータを蓄積したデータベースを使って、統計的結果を出すことで新しい情報が生まれることがポイントだと思っている。

web2.0についてTim O'Reillyがひろゆきに言ったらしい。
アマゾンのレコメンデーションシステムみたいなやつ。そうすると、
統計的結果を使ってない多くのサービスは、嘘ばっかりってことだな。

2ちゃんねるのような大通りにコミュニティがあるサイトがいいとは言いませんが、こそこそ悪事ができるような路地裏のあるようなサイトには、子どもを行かせない方がいいのです。
(中略)
1対1でコミュニケーションできるサイトでは、現実に被害者がいるのです。被害が出る可能性がある場所をなくす前に、すでに被害が起きている場所を規制するほうが先決である

この視点はなかったけど、非常に説得力がある。

誰でも同じだと思いますが、僕はコンテンツ自体が広告の塊になっている、スパムブログのようなサイトが大嫌いなのです。
(中略)
おかげで、日本語の真っ当な情報というものがスパムブログに紛れてしまい、探しづらくなっているのです。
そういったサイトは嫌いですし、なくなった方が良いとも考えている。なのでサイト運営者にお金が落ちないよう、あえて広告に興味があってもクリックせず、検索サイトから探すようにしているのです。
みんながそういった行動をとることで、真っ当な運営を行っているサイトも広告収入を得られなくなるとは思います。しかし、スパムブログのようなサイトに広告費が流れなくなっている現状を何とかしようと思うと、仕方ありません。

この考え方に共感するので、4〜5年前からadblockを使っている。
ユーザビリティの低下につながるものは、なくなっていくといいな。

ニコニコ動画のなかでは、テレビ局とか芸能人とかコンテンツホルダーさんと仲良くしていこうという考えの人が多いんですけど、僕はそこまでは考えていないんですよ。だって、コンテンツホルダーさんが出すものを利用するのは、テレビがやればいいと思いますから。ネットユーザーがおもしろいコンテンツを作って、1000人が観たとして、そのコンテンツが100個あれば、その数は10万人になる。僕は、そういう方向にしたいんですよね。

なすべきことをする。その当たり前の事ができていてすごい。

人が面白いと思うことなんて変わってなくて、その本質をいかに隠蔽して新鮮に感じさせるかですから。

さりげない言葉だけど、いろいろと当てはまりそう。

たまにプログラムをやると楽しいですけど、それはたまにジグソーパズルをすると楽しいのと同じで、毎日はできないんです。

自分がこの状態だと思った。面白いと思うけど仕事にするほど
好きじゃないとか。いろいろとやりたいことはあるけど、
時間は限られていて、何をやらないかを決めるのが大事なとき、
削る対象として検討した方がいいものは、こういうものかもしれない。

日本人が血液型で人の性格を分類しようとするのって、日本は血液型がバランスよく分類されているのと、みんな似すぎなので差を探そうとしているからだと思うんですよ。アメリカだと、肌とか目の色も違ったりするので、犬でいったらチワワとブルドックが仲良く暮らしている状態。だから、血液型どうこうのレベルじゃないんですよ。それに、日本人は血液型にレッテルを貼るアナウンス効果で、B型の人は自分をB型の性格だと思いこんでいるんじゃないですかね?

思っていたことがうまく言語化されている。活用しよう。

林家ぺーさんって、新幹線に乗ると歯ブラシとコップを持ってグリーン車のなかを歩きまわり、芸能人がいたら話しかけるんですけど、歯ブラシは咎められたときに「いや歯を磨こうと思って」という言い訳の小道具なんですよ。そして、芸能人にあったら誕生日を聞いて「同じ誕生日の人は○○さんです」と、いつの間にか会話がはじまるようにする。これ、今までに不快に思われたことがないみたいなんですけど、そういうのを見るとピンクの服を着ていることすら、計算尽くじゃないかって(笑)。

これはテクニカル。

ストレスで髪の毛が抜けるまで働くというのは生存本能のどこかが欠如している、つまり欠陥ですよね?規定値の1.5倍くらいまでがんばる人は普通なんですけど、2倍以上がんばって壊れる人って、どこか抜けているんです。髪じゃなくて人間的な部分がですよ(笑)

ここも重要だと思った。生存本能の欠陥って表現がいい。
好きならいいけど、そうじゃないならほどほどにした方が
いいと思った。体を壊してやるほどのものではないから。

僕は何かをやるときに他人を排除するという思想がないので、敵を作りづらいんですよ、きっと。自分一人で全部の仕事をこなせば利益は独り占めですけど、僕は基本的に、自分一人で物事を進めたくないから、誰かと組むパターンが多いんです。

僕は、家賃を別にすると月に5万円ぐらいしか使わないんです。外食も、たまに友達と飲みに行くぐらいでほとんどしないし、食べ物も基本的に何でも美味しくいただけるタイプなんで。たまに、友達から借りられないし、もらえないゲームソフトを買うぐらいですからお金を使わないんですよ。

このゆるさがいい。

ネットのメディアが肩代わりすればいいんじゃね?みたいな進歩的な考えの人もいると思いますが、日本中の家に新聞紙を配ったりとか、テレビのスイッチを入れるだけでニュースが流れたりといった利便性は、まだまだ提供できていないのです。

広い視野で物事をとらえるスキルは大事だと思った。


そういうわけで、タイトルと全然関係のないこの本は面白かった。
人をバカにしたような雰囲気だけど、けっこう本質的なところを
突いていると思うので、中身のないビジネス書を何冊も読むより
価値があるような気がする。どうしても抵抗がある人は、
来月出るChris AndersonのFreeを読めばいいと思う。どちらも
webという得体の知れないものを少しだけ理解させてくれそうだから。
Free International Edition: The Past and Future of a Radical Price (ペーパーバック)
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