1月3日に著作権の追試があったので、正月もろくに休んでないことを思い出した。授業は1月4日から始まった。火、木の夜3時間と土曜の朝3時間。大学にいる時間は短いけど、日本の大学の感覚とは全然違うっていうのは、体験した人にしか伝わらないかもしれない。単に法律の授業に自分が慣れていないのかもしれない。とりあえず日本ではこんなに頑張って復習してなかったし、それでなんとかなってたけど、こっちではそんな甘くないってことはsemester1で体験している。逆に言えば日本の大学にいたときにこれくらい頑張って勉強すれば、もっと違った人生を歩んでいたのかな。
semester2は特許法とspecial topics。特許は仕事で4年間やっていたからだいたいわかっているし、授業中もけっこう発言できた。慣れてきて思ったのは、たくさん発言している人でもまともなことをしゃべっているタイプと、中身がないことをべらべらしゃべっているタイプに分かれるんだなということ。落ち着いてきたら別に勢いに圧倒されないし、何人であってもバカはバカだし、賢い奴は賢いのだなと当たり前のことに気づいた。
仕事でやっていたけれども、イギリス、アメリカ、ヨーロッパ、シンガポールの特許を歴史的背景から様々な判例を通じて理解していくというプロセスは、いろいろと学ぶことがあった。クレーム解釈の特徴や変遷を知り、equivalents clauseが付けられた背景がわかった。元々シンガポールには法律をやりにきたわけじゃなくて、特許と金融がどのように絡むのか、特許の価値評価、知的財産のファイナンスなどに興味があって、そのあたりを勉強しにきたことを先日思い出した。2年コースで1年目に法律をやってから2年目にそれをやろうということで、ようやく法律が終わったところ。日本の法律だけ見ていても見えてこないものがたくさんあると知ることができて良かった。やっぱりcivil lawとcommon lawのアプローチは全然違うので、両方見ることができて良かった。
special topicsは、サイバースペースの法律、バイオテクノロジー関連の特許、ライセンス、並行輸入、侵害時の措置などなど、ロンドンから客員教授が来たり、スタンフォードの先生が遠隔で講義をしたり、実務家の人が来たりと、こっちもこっちで面白かった。いろんなケースを学んでいて感じたのは、いろんな国で似たような判断をバラバラにしていて二度手間じゃないのかなということ。でも国毎にカルチャーが違ったり、何が当たり前かという考え方が違ったりすると、その土地に合った法律であるとか、判断とかも大切なのかなと感じている。共通化できる部分とカスタマイズしていく部分。なんでもそうなのかもしれない。
授業は全部で週9時間だけど、講義は全部ICレコーダーに録音して翌日に聞き直して、聞き取れなかった部分を書き加えたりしていたので、週18時間くらいは講義関連の勉強をしていたことになる。過去問が配られており、数年分解いたので、結局のところ大学の図書館やマクドナルドなどで勉強する毎日だった。
試験は特許I、特許II、special topicsの3つで全て記述式。特許Iは持ち込みなしで2時間。ひたすら特許法を暗記して、25問それぞれA4の紙1ページ分くらいひたすら記述。特許IIとspecial topicsはそれぞれ持ち込みA4の紙1枚、条文やreading guideは渡されるという方式で3時間45分。問題は8題のうち5題選択する。それぞれ1題45分という計算になるが、けっこう長引いて最後に時間が足りなくなるというパターン。解答用紙として10ページの冊子を5部渡されて、各問題に1部使った。もうひたすら書いて手が痛くなった。勉強するときもボールペンでひたすら書いて覚えていたので、ボールペンの消費が早い早い。
結果が出るのはいつかわからないけれども、追試があるとすれば7月初め。ちなみにsemester1では4つ試験を受けて3つ追試になり、追試で受けた3つのうち1つ落としたので、今年の12月に著作権の試験をもう一度受ける予定。semester2はどうなることやら。いずれにしても今日から夏休み。新学期は8月から。予定はあまり決まってない。5月8日の夜から14日の朝まで東京に滞在する予定。これから東京でやることをリストアップ。