深圳に行く前に(シンガポール編)

日本から深圳とシンガポールから見た深圳はけっこう違う。そういう視点から書いたシンガポール在住者向けの文章があっても良いかなと思ったので書いてみる。

1. Happy Roam(プリペイドsimカード)買う

近頃の旅行といえば、着いた空港や街でプリペイドsimカードを買って現地の通信手段を確保するわけだが、このシンガポールsimカードを購入することでその手間が多くの国で消滅した。ローミングのデータ通信費が1GB5ドルで買えるのである。各国で電話番号が必要な場合を除き、データ通信は完全にこれでいいじゃないかと感じるようになった。中国にも対応していて、シンガポールローミングだからgooglefacebooktwitterVPN不要で全く問題なく使える。シンガポールの空港やセブンイレブンで身分証を見せれば買えるので、シンガポールに旅行に来た人も買って維持しておくと良い。

2. Wechat paymentのactivateをする

中国でのコミュニケーション手段は圧倒的にwechatなのでこれをインストールしないと始まらない。そして、paymentを使えるようにactivateしておいたほうがいい。そうすれば他の人からお金を受け取ることができる。現金を渡してお金を入れてもらったら、QRコードをスキャンして支払うことができる。自分で入金したいときは電話番号と銀行口座を取得する必要があるのでハードルが上がる。

wechat paymentの何がすごいかといえば個人間送金の手軽さではないかと思う。4月の深圳旅行で触発されてシンガポールで似たようなものがないかと探してみた。

- Dash - Singtelという通信事業者がやっているモバイルペイメントサービス。中国やフィリピンへの送金を支援するためのアプリのようだが、電話番号で個人間の送金も可能。近頃はタクシーの支払いによく使っていて、薬局での支払いにも使える。

- Paylah - DBSという銀行がやっているモバイルペイメントサービス。銀行送金により入金して、個人間送金に使える。QRコードを表示してその場でスキャンしてもらってお金が受け取れるので、電話番号知らなくても送金可能。NETSというシンガポール国内に普及した支払い端末と連携してQRコードによる支払いが実現すると言っているが、先日試したところまだ実装されていなかった。

- liquid pay - シンガポールのスタートアップによるサービス。ホーカーセンターを中心にQRコードによる支払いを推進しているが、昨年のリリース時のキャンペーンでやったっきり加盟店舗が増えていないようで、存続危うしという印象がある。

- EZi wallet - これもシンガポールのスタートアップによるサービス。入金は各店舗で現金を渡してやるらしいが、まだ使えていないのでよくわからない。liquid payのようにQRコードで店舗での支払いができるらしい。

- Sumsung pay - 最近始めたのだがとても便利。クレジットカードを出さずにスマホだけでカード支払いできる。

- NFC sim - これも最近はじめたのだがとても便利。スマホNFCチップが入ったsimカードを入れることで、電車やバスに乗れるし、スマホ上で入金もできる。

- asap - One NorthのGalaxisというショッピングモールに入ったレストラン用のアプリだが、アプリ上で商品を注文して支払いも済ませて、あとは現地でピックアップという使い方ができる。店に並ばずにオンラインの注文で割り込みできるのが良い。

まだ加盟店舗少ないながらシンガポールもけっこう頑張っているではないかという気分になった。確かにwechat paymentはすごいけど、その一部の機能は既にシンガポールで実現している。だからシンガポールでいくつか試してから深圳に行ったほうが差分がわかっていいと思う。無知なまま何でもすごいすごいって言っててもしょうがないから。

3. 地図アプリを入れる

ローミングgoogleにアクセスできるならgoogle mapでいいんじゃないかと思うかもしれないが、それは違う。google mapの地図情報は中国に関して言えば数年古い。深圳くらいのスピードで変化する場所だと、地下鉄路線図が3本くらい足りてなかったりするので、誤解の元だし使わない方が良い。高德地图や百度地图を入れたら良い。

4. シェアサイクルに乗ってみる

シンガポールに住んでいればoBike、mobike、ofoのようなシェアサイクルが徐々に増えているのを目の当たりにしているはず。これを日常的に使ってみないと本質的なことはわからない。道路やバスを個人が所有しないように、自転車も所有しないということの意味が使えばわかるはず。それで深圳に行けば、自分がいつでもどこでも空気を吸うように自転車に乗れることの意味がわかるだろう。

5. シムリムタワーに行く

そもそも電気街というのがどんなものか知らない人が深圳の電気街に行ったところであまり楽しくないと思う。細々した電子部品が広がるあの光景を楽しむには、事前に電気街なるものを見ておいたほうがいい。完成品ばかり売っているシムリムスクエアじゃなくて、シムリムタワーの方である。

6. Aliexpressで買い物する

タオバオでもいいが、買い物というのはもうオンラインに行ってしまっているので、中国のサイトでオンラインショッピングをすれば大きな流れを少し感じられる。そして電気街の裏手でせっせと世界に発送している様子を見れば、きっと感慨深いものがあるだろう。

7. ArtScience Museumのチームラボ展に行く

深圳滞在9月1日〜3日の間に深圳のチームラボ展に行こうと思っているので、シンガポールのチームラボ展を事前に見ておけばきっとその差分から見えてくるものがある。

8. ビリビリ動画にアクセスしておく

ニコニコ動画もどきのビリビリ動画というサービスがあるので、事前にアクセスしてシンガポール回線でどのくらいの速度が出ているかを体験として知っておくと、中国でアクセスしたときの速度と比較できる。正直そこまで差がつくと思ってなかったので、中国国内のインフラの安定感を垣間見る思いだった。

そんな感じでいろいろ並べてみたけれども、とりあえず1と2と3は必須。あとはオプションだけどやってみたほうがきっと楽しめる。happy roaming買って、wechat paymentをactivateして、中国の地図アプリをインストールする。それがスタート地点。