インド生活とヤックシェービング(2019年6月29日の記録)

インドに来て一ヶ月半くらい経った。会社の人にいろいろ助けてもらって面倒なことは大幅に軽減されているけれども、他の国と同じくらいのスピードで物事が進んでいるわけではないし、そもそもそんな期待もしていない。そんないろいろな手続きの状況についてうまく表した言葉があった。ヤックシェービングだ。

私の好きなブログで詳しく解説がされていて、何度も読んでいる。
http://0xcc.net/blog/archives/000196.html
あることをやろうと思ったら、そのためには別のことをしないといけないと判明して、その別のことをやろうと思ったら、そのまた別のことをしないといけないことが判明して、延々と続くため全然最初にやろうと思ったことができないという、yak(毛が長い動物)の毛がなかなか刈れないことの喩えで、プログラミング界隈で昔から伝わる言葉である。

これはインド生活に非常に通じるものがあるのではないかとふと思った。複数の手続きをこなしていかなければならず、わりとクエスト感があり、なかなか目的を達成できないあたりがよく似ている気がする。例えばインドに引っ越してきたときから、正確に言えば引っ越してくる前からずっとPaytmを使いたいと思っていたのだが、一ヶ月半経った今でもぜんぜん使える状態になってない。あと一ヶ月くらい必要なのではないかと感じている。

Paytmを新規で始めようと思うと、ローカルの電話番号と、ローカルの銀行口座、そして本人確認用にAadhaarカードが必要になる。アクティベーションに苦戦しながらローカル電話番号を取得し、銀行口座はFRROという外国人登録を済ませた後に申請して数日前にようやくできた。そしてAadhaarカードは、本人証明、生年月日証明、住所証明があればできるそうなのだが、PANカードという納税者カードがないと厳しいらしい。会社の人にPANカード欲しいPANカード欲しいともう5回位言ってるんだけど、毎回「申請のウェブサイトが落ちててだめだった、今日申請する」って言われて、忙しくてやる余裕ないんだなーと思っている。

せっかくインドの銀行口座できたんだからモバイルアプリを使いたいわけだけど、App storeの国指定をインドに変更しないとアプリが検索しても出てこないし、国指定を変更しようとしてもインドの決済手段がないと変更できない。銀行口座ができたときにカードをもらったのでその情報を入力したが、残高が空っぽだから国指定を変更できず。銀行口座に入金しようと思って銀行に行っても、インドのATMは銀行内にあるやつすらキャッシュデポジットできないし、窓口での入金も夕方4時までなので週明けまで入金できず、結局何もできなかった。

paytmでお金払いたいとか、銀行のモバイルアプリ使いたいとか、そんな大変な要求をしているんだろうかと感じてしまう。単にインドのいろんなオンラインサービスで遊びたいだけなんだけどなーというところで物凄くストレスを感じている。遊びたいものが目の前にたくさんあるのになんで自分は遊べないのかと。

そんな感じでヤックシェービングばかりの毎日である。それと関連してかしてないかわからないけど、ちょうど一週間くらい前にひげそりが壊れて、amazonかflipkartでひげそりを買おうとしたのに日本のカードがリジェクトされて、インドのカードはあるけど中身空っぽだし、まあひげそらなければいいかとなって、一週間ひげが伸び放題だ。こちらのシェービングもオンラインでお金が動かせるようになり次第やろう。実店舗でキャッシュでひげそりを買うのはきっと何か負けなような気がする。