2018年3月16日いつもの深圳

次はいつ深圳に行けるかわからないけど、次に行ったときに白石洲はないのだなと思うと少しさびしい気持ちになった。

(以下2018325日のFacebookより転載。写真を追加)

深圳には何度も行っているし、電気街も行っているけれども、もっと詳しい人がマニアックな案内をしてくれるということで香港往復航空券を買った。結論から言えばその主催者は来れなかったが、詳細な情報を大量にWeChatで共有していただいたので非常に楽しめた。仕事があるから早く帰らなきゃなんてことは今は特にないので、10日くらい滞在することにした。

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早朝シンガポールを出発し、香港に入国後念願のe道を取得。12ヶ月間で4回目の香港入国で達成。

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いつものようにskylimoで深圳へ。去年100ドルだったのに140ドルかかった。いつものように華強路のホテルにチェックイン。某コンサートのチケットを買っておいて欲しいと頼まれたので、老街と国貿の間のdamaiチケットオフィスに行く。英語全然通じなかったので、translatorアプリを駆使して4枚購入。

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小米ショップで自撮り棒とケーブルを買い白石洲へ。一駅だからmobikeで行けるんじゃねって思ったのだが、全然道がなくて大きく遠回りすることになった。このルートは全然お勧めできない。bionic brewでビールクラスが19時からありなんとか間に合った。

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輸入して古くなったビールを飲むくらいなら自分で作ってしまえと会社を作った話や様々なビールのテイスティングなど非常に楽しめた。

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怪しげな白酒の店でペットボトルの酒を買えて満足。なんとか終電に間に合った。

2018年2月新潟

日本に来て東京にいるだけではつまらないので、どっか行きたいなと思っていて、近場でスキーができて日本酒が飲めるところとして福島と新潟が候補に挙がって、自分の中で僅差で新潟に軍配が上がった。結局スキーはしなかったのだが。

新潟県で見ていくうちに、村上市という山形県との県境にほど近い場所が目に留まった。妙に観光地としての情報発信に力が入っているのである。〆張鶴や村上牛の他、鮭にもやたらと力が入っている。これはちょっと見てみたいと思ってここに行くことにした。

あとコインを入れて日本酒を試飲できるぽんしゅ館なるものがあると知り、新潟駅越後湯沢駅のどちらかにも行くことにした。

それから新潟観光について検索しているうちに瓢湖なる白鳥が集まる湖が気になった。ちょっと不便なのでどうしようかなと思っていたが、あのスワンレイクビールがこの湖にちなんだものと知ったので行く気が出てきた。

自分が旅に出るには、この程度の理由で十分なのである。

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というのが旅のきっかけなのだろう。20182月28日のFacebookにこのような記載があった。無論、今はインドにいて新潟にいるわけではない。

Maxとき2階建てで新潟へ行き、新潟駅前の酒蔵である今代司を見学した。

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酒蔵によって見学に対するスタンスはぜんぜん違うのだが、ここはとてもウェルカムだったのを覚えている。日本に行くたびに酒蔵訪問していた自分にとってはとてもありがたい存在だ。

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やはり何かを作っているところを見るのが好きなのだろう。その後雪景色の中を電車で北上して村上へ。大量の鮭がある様子は実に圧巻だった。

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そのあたりの酒蔵ということで大洋酒造も見学した。日本は酒文化が豊かだなといつも思う。

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その後、村上駅前の石田屋という宿で食事だけしたのだが、とても素晴らしかったと今書きながら自分でダメージを受けている。インドに来てから思うのだが、自分は牛肉への執着よりも、魚への執着の方が強そうである。

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そして、スワンレイクビールの由来となった瓢湖へ。本当はスワンレイクビールの醸造所とかそれに併設しているレストランにも行きたかったのだが、タイミングが合わなかったように思う。

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その後、新潟駅のぽんしゅ館へ。酒は美味しかったけど、なんか楽しめなかったのを覚えている。

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自分が好きなのはお酒だけじゃなくて、酒蔵まで足を運ぶストーリーだったり、酒蔵を取り巻く環境だったり、酒蔵の地域の郷土料理だったりするわけで、酒だけ持ってきてもらっても全然おもしろくないのだな。我ながらとても面倒くさいやつだと感じた。コイン入れていろんな酒が飲めて、それがどうしたと感じてしまった。

新潟駅といえば、むしろクラフトビール屋の方がディープで良かった。スワンレイクのポーターとかアンバーとか頼んだような気がする。ビールより日本酒が好きだが、その土地のものを飲みたいという気持ちがいつも勝る。

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というわけでいつものごとく呑んだくれたのだなと今更ながら思い出している。海外に住んでから日本の地方都市を旅行するのが、日本に住んでいた頃の少なくとも10倍くらい楽しくなっている。またこんな感じで、日本の地方都市を気軽に旅行できる日がくればいい。

シャオミ中華ROM端末のGPS問題を解決する方法

今となっては昔のことになってしまったが、かつて移動体通信端末が取得する位置情報が重要な時代があった。ロックダウンで家から出ない今となっては、そもそも移動体通信自体に大して意味がなくなってしまった。本稿は、今年1月初めに買ったシャオミ中華ROM端末で、GPSによる位置情報がうまく取得できなくて正直けっこう困っていた問題に対し、先月無事に解決した解決策を記録するためのものである。

そもそも中華ROM端末とは何か。シャオミのスマートフォンでも中国国内で中国向けに売られている中華ROMと、香港や他の国で売られているグローバルROMの二種類の端末がある。私が買った1億画素のカメラセンサーで知られるシャオミ端末は、1月に深圳のシャオミショップで買ったのでCC9pro 尊享版という中華ROM版だが、グローバル版ではMi Note 10proという名前になっている。ハードウェアとしては、対応周波数帯が多少違うくらいでほぼ同一である。ソフトウェアはけっこう違う。

google playが入っていないので、谷歌安装器なる怪しいアプリを入れてgoogleアプリを使えるようにしないといけない。それでもわざわざ中華ROM版を選んだのは、中華ROM版の方が2万円くらい安いというのもあるが、OSファームウェアのアップデートの対応が早いことや、Mi Roamingという圧倒的に強力なeSIMのサービスを使えるからである。root権限を取得したり、ROMを焼き直したりするならめんどいからやだなあと思っていたが、そんなことをしなくても普通に使えるとシャオミショップの店員が教えてくれたので買うことにした。

中国で使っているうちは何も問題なかったが、インドに戻ってきてからどうにも位置情報の反応が悪いことに気がついた。なにやら現在位置がたまにしか取得できないのである。権限を付与してないのかなと思って設定を確認しても、ちゃんとGet location infoの項目ではget precise location (GPS and network-based)となっていて見たところ問題なし。google mapでナビモードにすると位置情報がきちんとアップデートされる。Uberは多少雑な位置情報でもなんとか使えたが、Olaは位置情報が不正確ですと出てそれ以上進めなかった。ムンバイに行ったときにアプリで電車のチケットを買おうと思ったのだが、位置情報が不正確と出て使えず悔しい思いをした。

そもそもGPS and network basedとは何か。GPSは大学の授業でやっているので、基本的な原理ならわかる。複数の衛星から原子時計の極めて正確な時刻情報を取得し、その差分から現在の位置情報を割り出すのである。GPSは受信機であり、衛星に電波を飛ばすものではないので、GPSを使っているからといって自分の現在位置が伝わるものではないという話があるのはこのためである。

しかしながら、GPSのみで位置を特定すると30秒近く時間がかかるという欠点があるので、素早く位置情報を特定するためにnetwork-basedの情報も使用したA-GPS(補助GPS)を使用するのが主流となっている。ちなみにA-GPSには2種類の方式、すなわちMSA(Mobile station assisted)MSB(Mobile station based)があり、MSAでは端末が衛星から取得した情報を補助GPSサーバに送り、補助GPSサーバで位置情報を計算して、端末に送り返す。MSBでは、補助GPSサーバは衛星の軌道情報などを予め端末に送るのみで、位置情報の計算は端末で行っている。

いろいろ検索をすすめるうちに、シャオミの中華ROMGPSが怪しいという情報を多々見かけるようになった。そして、ついに対処法を紹介したページに辿り着いた。

https://piunikaweb.com/2019/02/08/xiaomi-uses-state-owned-china-telecom-a-gps-provider-but-why/

グローバル版ではgoogleA-GPSサーバであるsupl.google.com を使用しているが、中華ROMではチャイナテレコムのA-GPSサーバである221.176.0.55を使っているようである。しかもシャオミのOSであるMIUIではA-GPSサーバを選択する項目がない。しかし、先人の知恵の助けを借りて、quick shortcut makerなるアプリを用いてA-GPSサーバを選択する画面にたどりいついた。

https://c.mi.com/thread-2129254-1-0.html

このquick shortcut makerはなんでもっと早く入れてなかったんだろうと感じるくらい素晴らしいアプリである。root権限を取らなくてもこんなに自由に操作できたとは知らなかった。

そんなわけでチャイナテレコムではなくgoogle様に全ての個人情報を捧げて無事正確な位置情報を取得できるようになった。個人情報を中国に渡そうがアメリカに渡そうがどうせ大差ないし、利便性にまさるものはないのスタンスで生きている。

あいにく旅行に行く予定は全然ないのでmi roamingを使う機会がないが、OSのアップデートで言えば中華ROM版に対するAndroid10へのアップデートが今月中に可能になるらしい。ソフトウェアが変わると別物になるので、OS更新がとても楽しみだ。

常識が変わってしまった世界で

在宅勤務を始めて1ヶ月。322日からはずっとロックダウンなのでコンドミニアムの敷地から全然出ていない。今日食材の買い出しに一ヶ月ぶりに敷地の外に出たが、人類が消失している所が多くてちょっとかっこ良かった。

既にいろんなところで話に出ているが、常識が変わったのを日々痛感する。ちょっと前の映像をみて人が密集している場面があると、これは感染拡大するなあと自然に感じてしまう。誰かとエレベーターで乗り合わせるのはちょっと嫌だなあと感じてしまう。もう現金を触りたくないし、この1ヶ月で1度も現金を触っていないので、無現金原理主義と呼んでもいいだろう。そういえば今日は一ヶ月ぶりに靴下を履いた。それからもう通勤とか無理な気がする。これから何かが変わるのではなく、もう既に価値観が変わってしまった。

ここ数年でライフスタイルにおいていろいろな変化があったが、今回の感染症に伴うロックダウンにより、加速するもの、揺り戻しがあるもの、これまでになかった変化みたいな切り口で分類できそうな気がする。

変化が加速するもの

1. 集団主義から個人主義

人が群れているだけで何か価値を出しているような印象を与えるメソッドがかつて存在したのかもしれないが、一人一人がどんなアウトプットを出しているか明確になってしまうと、個人へのフォーカスが高まりそう。リモートワークなどアウトプットが全てなので、個人の役割の明確化が加速するように思う。

2. bitで済むものはbit

bitベースで物事を進められる会社と、atomがないと物事を進められない会社とでは、元々スピード感が全然違ったが、ますます差が開くとしか考えられない。手続きの形式を重んじるくらいなら、もっと仕事のクオリティを上げてくれよということになるので、公正な競争が存在する世界では自然と淘汰されていくように思う。

揺り戻し

3. シェアから所有へ

何でもインターネットに繋がって、オンラインで決済も済んでしまうので、モバイルバッテリだの自転車だの傘だの、色んなものがシェアされる傾向があったが、感染症対策という視点で考えるとここに揺り戻しがありそう。誰が触ったのかよくわかんないものに対する忌避感とでも言えばいいんだろうか。潔癖症という言葉が当たり前になりすぎて消失する世界では、atomの共有から専有という流れがあると思えてならない。UberとかDidiとかも消毒とか考えるとどうなってしまうんだろうという気持ちになる。

4. 移動の抑制

息を吸うように航空券を買うクラスタがあり、LCCの値段はどんどん下がって、クリエイティブと移動距離は比例するなんて言葉もあったりするが、ここにも大きな揺り戻しがあると思えてならない。国境を超えるたびに14日間の自宅待機を命じられると、あらゆる移動が一ヶ月コースになってしまう。もう自由に旅行できる時代は自分の生きている間戻ってこない可能性すらある気がしてならない。

新たな動き

5. 鎖国による現地化やパーソナルファブリケーション

人が国境を超えなくなるのはわかるとして、物はどうだろうと考える。届かないことはないにしても、もっと時間もコストもかかるのではないか。あらゆるものが中国で作られて世界中に出荷される流れから、各国で現地生産する流れになってもおかしくない。究極的に言えば、各家庭の3Dプリンタで簡易的なものを出力するなんてことも考えられる。

6. バーチャル空間の充実

VRMMORPGの時代はまだ来ないが、バーチャル空間において自分の家とか自分の居場所とかそういうものを求める傾向は強まるように思う。zoom会議でsnap camerae遊ぶとか、VRでのアバター選びそのものである。あつまれどうぶつの森が妙に流行っているのも、物理的に外出が制限されている分、バーチャルな世界でのびのびしたいという願望の現れかもしれない。

それにしてもいろいろなものが平安時代に回帰したみたいな話を聞くと、現代のテクノロジー平安時代に当てはめるみたいな想像の斜め上を行く世界観ができてくるので、現実ってのは面白いなと思ったりする。心身ともに健康であればきっとどこでも生きていけるだろうから、まあ状況を見ながらせいぜい楽しむだけである。

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安定したインターネットのために

インドでは、金融の中心地であるムンバイを除いてどの都市でも電力供給が安定せずよく停電する。たいていパワージェネレータに切り替わるので、照明や天井のファンなどであれば一時的に止まってもこれといって問題はない。デスクトップPCルーターとなると、一日に何度も強制再起動されたらたまったものではない。しかし、コンセントに直接取り付けるタイプの無停電電源装置UPS)は大掛かり過ぎて好ましくない。PCはノートPCにすればいいが、問題はルーターだ。ルーターの電源が落ちたときのWiFiのダウンタイムがけっこう長い。

という問題意識をずっと持っていて、在宅勤務を機に改めてUPSを探してみた。そこで、ルーターUPSなんてものがあると知った。amazonインドでいくつか見つかるが、このあたりのバンガロールのメーカーが作っている(組み立てている?)らしい。

https://cuzorlabs.com/

https://www.resonate.store/

ACアダプタとルータの間に接続し、電源供給が低下したらUPSのバッテリ駆動に切り替わる仕組みである。バッテリは20000mAhなので、モバイルバッテリが間に挟まっている感じである。そこそこバッテリが長持ちするような動作をしてくれるんじゃないかと勝手に期待しているがそこはよくわからない。

そんなわけで、停電をワクワクしながら待っているが、そういえば導入してからまだ一度も停電していない。まあそんなものである。

ちなみに安定したインターネットといえば、インド政府はよくインターネットを止める。そして、どの地域でいつインターネットが止められたかトラッキングしているサイトもある。

https://internetshutdowns.in/

だいたい法案に反発するデモとかが起きて都合が悪くなると、混乱を抑えるためとかいいながらインターネットを止めるのである。個人的に誰であれニュートラルな存在であるインターネット自体を止めるやつは人類の敵だと思っている。

コロナ関係でインターネットを止め始めると良くない兆候なので、そういう状況になってしまったら脱出を検討する時期かもしれない。見たところまだ大丈夫そうではある。

デジタル新興国論とロックダウン

2月中旬にバングラデシュからインドに戻ってきて、なんか異様に忙しくてずっと仕事をしているうちに、インドが鎖国を始めて自分のビザが一時停止された(3月3日)。仕事が落ち着いたらインド国内旅行でもするか、と思っていたら、いろいろ飛行機が飛ばなくなり、そしてロックダウンにより自宅からも出られなくなった。

それで不便で不自由かといえば全然そんなことはなくて、堂々とひきこもれて最高じゃないかとすら感じている。何しろ物理的に会社に行かなくていいのが素晴らしい。行きたくても行けないのだからしょうがない。正直旅行行くくらいしか外出しないので、どうせ旅行できないならロックダウンだろうがなんだろうか個人的に大差ないのである。買い物だってレジで並ぶのが嫌だからいつもアプリで注文してる。

bitにできるものはbitで扱い、atomにする必要があるものだけをatomにするという、現代人としての最低限の嗜みさえできていれば、自分の場合は仕事も生活も大して困らないのである。さすがにまだbitで腹は膨れない(中枢神経系をbitでhackすれば空腹は紛らわせそうだが、栄養は摂取しないといけない)ので、そこはある程度atomが必要になるが、食材の流通インフラはわりと安定しているし、久々に自炊を再開してパスタとかシチューとか肉じゃがとか作ったりしている。このまま引きこもりが続くとお酒を作ったり、お菓子を作ったり、小麦粉から何かを錬成し始めてもおかしくない。やろうと思えば家の中でやることなどいくらでもあるのである。

デジタル積ん読などは、数えていないがたぶん数年分あるし、本を読むことに飽きたら、こうやって自分の考えていることを書き出せばいい。旅行の計画を立て始めればエンドレスにやることはある。そもそもリモートワークとして、これまで通り普通に仕事があるので、横山光輝三国志60冊にまだ手を出せる状態ではない。

コロナ以後、リモートワークだのデジタルトランスフォーメーションだのが進む、みたいなことを最初思っていたが、どちらかといえば選択肢の問題なのかなと感じるようになってきた。bitベースのライフスタイル、ワーキングスタイルだと、オフィスがあろうがなかろうが、家から出ても出なくても大きな違いはないので、取り得る選択肢が増えるとでも言えばいいんだろうか。atomベースのライフスタイル、ワーキングスタイルだと、ロックダウンみたいな選択肢は極力避けたいだろう。そのような選択肢を取らざるを得ない状況になると、非常にストレスが溜まったり仕事が全然進まなかったりするのは容易に想像できる。

そんなところで「デジタル新興国論とロックダウン」みたいなフレーズが思い浮かんだ。QRコード決済は、現金やカードの受け渡しもないし、店の端末でパスコードを入力する必要もないから感染リスクが下げられるとか、デリバリーが発達した世界では、外出の必要性が大幅に削減できるとか、レガシーが少なくデジタル化が進んだ新興国は、案外感染症対策やロックダウンという点で優位ではないかと感じるのである。失うものが少ないと何でもできるけど、失うものが多いとなかなか動きにくいみたいな状態かもしれない。会社からは日本に帰ってもインドにいてもどちらでもいいと言われていて、インドに残ることを選択しているのは、そういう理由からである。

まあ、不謹慎ながらこんなカオスな状況が面白くてしょうがないという気持ちも否定できない。わざわざ遠い国に一人旅にでなくても、非日常が自分の生活圏にやってきたのだ。私の旅はいつもこんな予測不能なことばかりだし、そのおかげで全然退屈しなくて済むのである。

最後に、2002年に読んだブログ記事を引用しておこう。

MylifeBitsプロジェクトの話を聞いたとき、真っ先に思い出したのは、こんなシーンだった。彼の家で(ちなみに彼の家の中はこの雑誌記事の写真で雰囲気がわかる)話をしていたとき、玄関に宅急便が届いた。開けてみたら、ソフトが入ったCDが一枚、厳重に包装されてした。どこかのソフトウェア会社がゴードンに見てもらいたいソフトを送ってきたようだったのだ。開封するとともに、みるみるうちに、温和なゴードンの顔が険しくなって、烈火のごとく怒り出した。「何でこんなバカなことが起こるんだ!!! 送りたいのはbitsなのに、こんなstupid atomを送りやがって、くそっ、バカヤロー、・・・」と叫ぶや否や、包装紙やらパッケージやら、そういう送られてきたもの全部を地面に叩きつけて、踏みつけて、バカだ、バカだ、といつまでもブツブツ言っていた。

https://japan.cnet.com/blog/umeda/2002/12/14/entry_post_31/

 

深圳と私

旅行好きには2つタイプがあると考えている。同じところに何度も行くリピーター型と常に新しいところに行く新規開拓型の2つである。私の行動を見ている人であれば私が基本的に後者の新規開拓型なのは明らかかと思うが、一つ例外があってそれは中国の新興都市・深圳である。ここだけは変化が激しいのでリピートしながら新規開拓ができる。いつも何かしらまだ見ぬ世界に出会うことができるのである。

初めて訪れた2015年はメイカーフェアに合わせて行って、その会場でたまたま知ったseeedとニコ技のツアーに参加した。このときに锦绣中华民俗村や大芬油絵村にも行った。電気街の現在歩行者天国になっている部分は地下鉄の工事中していて非常に動き回りにくかったのを覚えている。

次に行ったのは2017年4月でニコ技深圳観察会にみっちりと参加した。このときに見つけた白石洲のクラフトビアにはその後深圳に行くたびに通っているし、小米之家にはまったのもこのときである。3日滞在すれば4回通って毎回何か買っている程度のはまり具合だ。この他、動物園に行ったり、DJI旗艦店に行ったりしている。QRコードだのシェア自転車だの技術の社会実装的なものはこのときのインパクトが最も大きかったし、このときの衝撃がなければまだシンガポールで働いていたように思う。この年は9月に360度カメラ関連のツアーを企画して訪問し、11月はビアフェスとメイカーフェアと飲み会のために訪問したので計3回行っている。

2018年は2月にシンガポールの会社を辞めて、たくさん中国に行ったし、その際に深圳に寄ることが多かった。3月は諸事情で安室奈美恵コンサートチケットを現地で購入して見に行ったり、マニアックな電気街ツアーに参加したり、高徳地図見ながらなんか面白いとこないかなーとローカルバスで動き回ったりしていた。汕頭や張家界にも行ったが深圳を起点に動いていた。5月は汕頭ツアーをして、その際に深圳に寄った。OCT loft辺りをけっこう見た気がする。7月は上海、杭州紹興、香港に行ったときに深圳に行ってDJIのロボマスターズを観戦した。ElecrowやM5stackで新製品を見学した。電気街の地下街が出来上がっていてとてもきれいになっていたのが印象的。10月は深圳経由で東京に行っている。中旬にメイカーフェア深圳に行きライトショーも見て、ちょっと渋谷に行って、深圳に戻ってきて、架線なしトラムを見て、ハードロックホテルで買い物してた。この辺になってくるとあまり知り合いが主催する初心者向けツアーには参加せずにマニアックなエリアを発掘しつつ、夜に飲み会だけ参加するみたいな感じになっていた。12月は日本に行った帰りに立ち寄り、關山月美術館に行ったり、深圳当代艺术馆で改革開放40年の展示を見たり、ジェネシスオープンデイに参加した。というわけで2018年は5回行っているようだ。

そして今年はというと、シンガポールからインドに引っ越して、インド近辺を旅行したいという欲求もあり、メイカーフェアの時期に仕事で動けなかったのもあり、まだ深圳に行ってない。というわけで、12月20日~29日は中国(主に深圳)に滞在することにした。小米之家で買いたい物がたくさんあるし、白石洲エリアも再開発されたりする前に行っておきたい。無駄に派手になったらしい電気街の地下道を見たいし、坪山のビール工場も気になる。いろんな旗艦店にも行きたい。なんと言っても加速世界深圳の1年分の変化をまとめて体感できると思うととても楽しみだ。インドから見た深圳という視点で、自分がどう感じるかということにもとても興味がある。

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