サドルの上で考えた

またまた疋田氏の本を紹介。アマゾンで見てみると最近かなり本を出しているようだ。
井沢元彦氏との対談が掲載されている自転車でめぐる日本史みたいなのも面白そう。
さて今回紹介する「サドルの上で考えた」
サドルの上で考えた―自転車的なる精神の欠片
これは率直に言ってあまり自転車に関係ない本だと思う。

自転車に乗ると頭が暇なので徒然なるままに考える
緊張感が適度な刺激となり考えが整理され新しいアイディアも生まれる

ということで自転車に乗りながら著者がいろいろ思ったことを載せている。
なかなか興味深いと思ったところをいくつかピックアップ

ヘルメットは事故、転倒などの際に頭部を保護するだけでなく
俺は気合の入った速い自転車乗りであるぞ、と周囲にアピールすることができる

これはそうだと思うけど、日本でヘルメットをかぶって自転車に乗ったら完全に
浮くような気がする。普通の格好でヘルメットだけ装備とかそういうのは特に。
それから荷物になるというのも嫌だな。現状ではそこまでスピードが出てないので
まあこのままで良いんじゃないかと思っていたりする。

世界最大の自転車会社 台湾のジャイアント
フォールディングバイク「MR-4F」非常に細い24インチタイヤ114000円

こんな感じでジャイアントの自転車を薦めている

フレームが横折れしないので強度と適度にしなる乗り心地を保つ 

なんか乗りたくなってきた

七掛けで同グレードのものが買える
ちょっと安くて異様に高品質

今ジャイアントの自転車に乗っているが、確かにこれは感じる。
他のものよりもやや安いけど、品質は全然問題ないというか十分である。
台湾製をあなどってはいけない。それから禁煙の話があった。
エッセイということでかなりいろいろ盛り込まれている。

「禁煙なんか簡単だ。私はすでにもう100回以上それを経験している」マークトゥエイン
「喫煙は緩慢なる自殺だ」「結構だ、私は少しも急がない」 バーナードショー

こういうのはなんかかっこいい。煙草を一回も吸ったことはないんだけど。

人は煙草をやめたくないから煙草をやめられない
煙草を吸わないというある種の価値を得る
人は思い込もうとすれば思い込める
我慢じゃなくてやりたくてやっている

精神論になってしまうけどこれが一番効果があるらしい。煙草に限らず言えることかも。
誰かに何かを強いられるよりも自発的にやった方がずっと効果はある。

生活から要らざるものを一つ一つ削っていくのはなんだかちょっと爽快感を伴うものだ

というわけで自転車的な何かにつながっていくようだ。
自転車を持って遠くの街へ行ってみようということで輪行が紹介されていた。

JRの大阪環状線沿いに自転車で走っていくと大阪のいろいろな表情が見えてくる
山手線を一つ一つ潰していけば何とか東京が見えてくる

この他佐渡島に行ったり長野県のダムめぐりをしたり、いろいろやっているけど
これってフォールディングバイクだからできるような気がする。
日本の列車にも自転車をそのまま乗せられたらいい。物理的に無理か。
こういうところでもやっぱりヨーロッパに住もうと思ってしまう。

日本人は美には敏感だが醜には鈍感だ ドナルドキーン

これは非常に思う。電柱とか電線とかわけのわからない標語とか
ぎらぎら光るパチンコ店とか醜悪なものには枚挙に暇がないんだけど
毎日見ていると当たり前に感じるんだろうか。個人的に非常に不快なんだが。
やっぱり逃避することを考えてしまう。

トライアスロン スイム3.9km バイク189km ラン42.195km

佐賀ではトライアスロンの国際大会が開かれているらしい。
スイムとバイクはがんばれば行けそうだけど、ランは厳しいな。
近頃知り合いが二人もマラソンに情熱を燃やしているのでちょっと考えてみた。
トライアスロンができるくらいの体力をつけたいけど、優先順位がまだ低い。

現代のクルマ作りはもはや複雑になりすぎて全体を全てつかめている人が
ほんのわずかしかいない。専門家にとっても細部のブラックボックス化は進んでいる
自転車ならば全部自分の理解の範疇にあるが、個々のパーツの制度などを考えると実に深い

これは著者がホンダに講演に行ったときの話。自転車ツーキニストとして
自動車の悪口を言えば言うほど会場がウケたそうだ。ホンダは懐が広いな。
ホンダの社員でも自転車ツーキニストが何人かいるみたいで、かなりの自転車好きも
いるんだとか。ブラックボックス化した方が効率がいいのはわかるんだけど
ものを作る立場ならばちょっと物足りないと思う。自分が研究をやめようと思った
きっかけもこのあたりにある。もし自分が100年前のアメリカかヨーロッパに生まれていれば
きっと嬉々として発明に励んだものだろう。材料から最終製品まで携われるんだから。
でも今の研究は高度に発達しすぎて、分業が進んで細分化されすぎて、本当にニッチな
ところしか関われない。これじゃあ面白くないと思ったのは大学院に入ってからだ。
ちょっと遅かった気がしないでもないけど、それはそれでいい経験になったと思う。

そのうちなんて当てにならないな
いまがその時さ
by スナフキン(無職)