すごい会議−短期間で会社が劇的に変わる! 大橋 禅太郎 大和書房 2005-05-18 by G-Tools |
先日の大学の飲み会の待ち時間で買った本。正直言って薄っぺらい本だと
思ったんだけど、読んでみたら実にすごかった。エッセンスが凝縮されてる。
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003427.htmlhttp://www.ideaxidea.com/archives/2005/05/post_4.htmlhttp://japan.cnet.com/column/entrepreneur/story/0,2000055910,20099253,00.htm
書評と、著者のインタビューを読んでおくといいかも。
この本は、著者の大橋氏がガズーバという会社をアメリカで起こしたときの
コーチングの内容がメインである。どのようにすれば価値ある会議にできるか。
前半は大橋氏の企業に至るまでの経緯みたいな話なのだが、これも面白い。
ICQの一番重要な機能
友達に勧めるというボタン
その製品を使うことが、その製品を友人に勧めることになっている。
やっぱりこういう視点をもたないと、ものごとうまく行かないんだろう。
大橋氏たちは、この考え方をベースにしてマイルネットという会社を
立ち上げ、エキサイトに売却する寸前まで成長させた。
ほとんど貯金をしない僕が、生活費をどうしていたかというと.たまたま30万円ほどで買ったYAHOOの株が150万ぐらいになっていたので、半分売って、その月の生活費にした。翌月は半分になった75万円が、また150万円ぐらいになったので、それをまた売ると行った具合。
会社が大変な時期はこうやってしのいだらしい。この辺からしてずいぶん違う。
スーツを着て会社に行きたいならスマートな名前がいいと思う。
でもアテンションが欲しいなら、ガズーバだ。
ネーミングもかなり重要な要素らしい。そして、会議の手法。
「最初の質問は『このミーティングが終わったときにどんな成果を上げることを期待しているか?』それを、まず手元の紙に書いてから発表してくれ。」
「あともう1つメリットがある。他人の意見が見えないことだ。」
実体験、質問、洞察という順序で経験することにより、手間はかかるが
納得度が高くなるとのこと。なんでも最初から教えてもらってたら
傍観者になってしまってうまく行かないんだろう。
中心メンバーが緊張感を持ってそろう
人の意見を気にすることなく、それを発表する仕組みを手に入れた
参加させられているという感じから、何かやってやろうという気分
前向きな雰囲気にする
これだけのことが得られれば、会議が非常にやりやすくなりそう。
×時間になったので、皆さん静かにしてください。では始めましょう
◯OK, can we start?
言葉1つでも視点が変わるし、やらされているんじゃなくて
自分たちがやるという意識になれる。非常に効果ありそう。
結局のところコーチングは
リクエスト、雰囲気づくり、確認の質問
しかやらない。でもそれを効果的にやることで
意識を大きく変えることができるのかもしれない。
さて、それぞれが、問題や懸念を一人ずつ発表するのだが、ハワードは発表するたびに「では、それを『どのようにすれば〜〜か?』の疑問文に言い換えてくれ」と言った。
この一言がまた効果的。ポジティブとか良く言われるけど、具体的にどうするか
ということは全然示されてない気がする。でもこの本では、具体的にどうすれば
良いのかということが非常に丁寧に書いてある。そこがかなり良い。
質問の形にしたら、こたえを考えてしまったわけですね?
じゃあ、もっと面白い質問の形にすれば、もっといろんな人が考えたりしてくれるかもしれませんね。
先ほどの疑問文を、これが起こったらいいなと思うような文章にすればいいんです。
良い質問ができれば、良いこたえは出てくるということなんだろう。
愚痴ってばかりいても、考えなければこたえなんて出るはずないから
良い質問をつくるというのは非常に大切だと思った。
言わなかった問題、言えない問題、言ってはいけない問題は何か?
では次は、この会社のひどい真実は何か?
では最後に、あなた自身のひどい真実は何だ?
この部分に触れないと根本的に解決できるわけないんだろう。
面白いのは最初に出てきた問題よりも、後半に出てくる「言えない問題」「ひどい真実』の方が経営をやっていく上で、より重要度が高いものが出てきたことだ。
躊躇なくこのへんに踏み込んでいかない限り、小手先で何をしたって
全然意味がないってことなんじゃないだろうか。会社も人も。
達成しようとしていることの本当の障害が前向きな形で明らかになる
目を背けたくなる問題点を挙げて、どうすれば解決できるかという
質問の形に単に置き換える。ただこれだけで前向きにとらえられるということ。
どうやって実行に移していくのかということも詳しく書いてあるが
そのあたりは買って読んでみた方がいいと思う。必要と思う人は。
「このチームによって、これから半年で何が主な成果として創り出されるか」
X年Y月Z日までに
〜(何らかの数字又は測定できること)〜を達成することによって
〜欲しいインパクト〜となる
こういう目標設定はまず間違いなく必要だろう。