パタゴニアの本を読んだときも思ったけど、
この本もあとでまたじっくり読み返したい。
デザインの輪郭 | |
深澤 直人 おすすめ平均 何度も読むと良くなってくる じわじわと感じてくる本 生きることを大切に、そして丁寧に。 シンプル★イズ★ビューティフル まさに「デザインの輪郭」 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
まず装丁がいい。TOTO出版でカバーが特殊なんだけど、
カバーを外したときに、手に馴染むちょっとした弾力性がある。
ハードカバーなんだけど、表紙と中身が同じサイズ。
硬すぎず、柔らかすぎず、不思議な本。
中身は、引用するときりがない。ちょっとだけ書こう。
単純で、ふつうで、あまり人に刺激を与えないものがいいんじゃないか、
ということがわかってきた。
だから、僕はそこをやります。
えー、と思わせるような強さをなくすことの方がすごいと思う。
わっと驚かせることよりもはるかに強い。それが難しい。
だってみんなふつうを期待していないわけだから。
普通にするには勇気がいります。
シンプルなものはごまかせないから、実にハードルが高そう。
この人の作品に流れているものがなんとなくわかった。
付加しないことが価値なんです。
派手なことをみんなやっていて、ふつうなことをやると反対に目立つということもある。それに助けられているところもある。
自分がよく水を飲むのに近いかも。小さい頃はけっこう三ツ矢サイダーとか
好んで飲んでたけど、最近は炭酸とか砂糖とか邪魔なんだよって思う。
ほんのり甘い水。余計な味がしないという価値がある。
俳句でいわれたのは、いいたいことをいうのではなくて、いわないことをいうために17文字を使うんだってこと。17文字でいえることではない、17文字以外のことをいうために、17文字を使うんだ
この視点はなかった。でもわかったようなわかんないような。
ものが増えていくと、気持ちも淀んでくる。心が詰まっていく感じがする。風が流れなくなっていく。心に吹きだまりができていく。
テントにタンスを入れたらかっこわるい。
ものをたくさんもっていることはかっこわるい。
これは非常に思う。ものを減らしていく方針。
人間は、他人のためにやっているという感情を持ってやると、
汚れてしまいますよ。
他人のために役立ちたいってのが別に偽善じゃなかったとしても
やってあげてる的な考え方はよろしくないのだろう。
ピラミッドは頂点から組む。
下から組み上げても、台形にしかならない場合があるから。
どんなものでもかたちにするよ」という力がなければ、
アイデアはあっても着地はしない。
口先だけなら誰にでも言える。どう形にするか。
僕はゴールをもたないし、執着もしない。
こうできなきゃいけないというかたちを
自分ではいっさいもたない。
自由であるということは、細胞しか鍛えていないということです。
何をするためにその筋肉を鍛えるかじゃなくて、
単に「鍛えている」ということです。
そうすれば、どんなゴールにでも行ける。
どのゴールだなどと決めたくない。
僕はこういうデザイナーであるなんてことは絶対に決めない。
迷いなくこういうことが言い切れてしまうのがすごい。
自分も目標なんかないって言いたいけど、
そこまで強くなれず、なんとなくジェネラルに
スペックを上げていくような、先延ばしになってる。
自分の手で作り上げた実績と自信みたいなものが
たぶん大幅に欠けているんだろうな、自分には。
考えながら行動していこう。言葉だけじゃなくて。