アルメニアに送金する

諸事情があってアルメニアという国の人に送金した。ちなみに何かに当選したとか、遠い親戚が見つかったとかそういう話ではない。

アルメニア - Wikipedia

最初はクレジットカードでできないかと思ったのだが、先方にダメと言われてしまった。

銀行口座を教えてもらったので、そこに送金しようとも思ったが、シンガポールからアルメニアに送るにはニューヨークのシティバンクを経由しなければならず、シンガポールの銀行、シティバンクアルメニアの銀行の3カ所の手数料がかかってしまう。

さて、送金と言えばウェスタンユニオンである。近頃は日本のコンビニでもできてしまうというあのウェスタンユニオン。もちろんシンガポールにも支店がたくさんある。会社の近くにあったので、アルメニアにいくらか送りたいと書類に記入して訊いてみた。すると、ここでは無理だから本店へ行けと言われる。本店はどこかと尋ねるとラッキープラザと言われた。

ラッキープラザと言えば週末にフィリピン人が大挙して押し寄せて自国に送金している建物だ。シンガポールに来たばかりの頃は地下一階の両替所では顔を覚えられるほど日本円をシンガポールドルに両替したが、最近は特に用事がなくて全然行っていない。思ったより綺麗な建物だなと思いながらうろうろしていたら2階にウェスタンユニオンがあった。

窓口で身分証と別の支店で記入した書類を渡す。窓口の人が次も使えるようにカードも作っておくからねーと頼んでもいないのにカードを作り始めた。そして窓口の人がプルダウンメニューの中からアルメニアを探す。で、出てこなくて顔が曇る。

アルメニアって何、アルバニアの間違い?」

「いや、あってる。アルメニア

「本当に国名なの?アメリカの都市?」

アルメニア共和国

「このリストにはすべての国が出ているの。そんな国存在しない」

「いや、あるから」

まさか国の存在を否定されるとは思わなかった。送金はできなくても国の存在は認めてもらおうと、携帯でアルメニアwikipediaページを見せる。一応国の存在は納得したらしい。送金できないならそんなカード要らないってことでカードを返して帰った。

ウェスタンユニオンのアルメニアに関して調べると、隣国のアゼルバイジャンとの関係が悪化し、なんらかの圧力がかかって2008年にアルメニアへの送金が停止になったそうな。

でもアルメニアという住所のウェスタンユニオンの代理店がけっこう見つかるので、停止は解除されたのかと思ったが、よくよく見てみると南米のコロンビアにアルメニアという都市があるらしい。ソマリランドですらウェスタンユニオンで送金できるというのに、アルメニアには送金できないようだ。

もう少し調べて見ると、Moneygramという似たようなサービスがあって、それだとアルメニアに送金できるようだ。Webで手数料の見積もりもできたし、シンガポールにもいくつか代理店がある。

ハーバーフロントセンターの一階の奥の方に小さな両替所があって、その隣にちっちゃく送金所があってMoneygramの看板が出ていた。そこのおじさんにアルメニアに送金したいんだと言うと、横を指差してそっちから入ってこいという。

最初何を言っているのかわからなかったが、店の横にドアがついていて、小さく小さくEnteranceと書いてあった。ドアを開けると人が1人か2人立てるくらいの空間があって、その奥に檻のような感じでおじさんが居た。まあ両替所だからセキュリティを考えてということだろう。

で、初めてかときかれて、紙の切れ端とボールペンを渡されて、身分証を渡した。ウェスタンユニオンとは違って専用の紙など存在してなくて、切れ端に必要事項を記入したら、画面に入力するようだ。入力が終わると印刷してくれて、それをチェックしてサインして現金を渡して送金。思ったより簡単だった。

お金を受け取る人の名前と国名だけで送金できた。一行くらいメッセージを送れるのかと思ったら、それはダメと言われた。まあお金が送れたらそれでいい。リファレンス番号をもらったので、帰ってからそれをアルメニアの人にメールで送った。

数日後、無事お金が届いたとメールが来た。良かった良かった。

あんまり関係ないけど、会社の近くのアルメニア教会の写真を貼っておく。

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