地球白書

4259546740地球白書〈2005‐06〉―ワールドウォッチ研究所
クリストファー フレイヴィン

家の光協会 2005-04
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環境問題や貧困、セキュリティなどを取り上げた本。
基本的にいろいろなデータが出てきていて興味深いのだが
最後の一章はプロ市民っぽい主張が出てくるのでちょっと残念だ。


読み終わったのがけっこう前なので忘れてしまったことが多々あるが
もっとも興味深かったのは水不足が紛争の直接のトリガーとはなりえない
ということである。社会を不安定化させる要因にはなり得るが
水不足だけでは別に戦争は起こっていないんだとか。
逆に水が不足しているので共同で管理しようということになって
これまで対話などありえない国で協力関係が始まっているみたい。
こういう環境問題が国の関係を良くする可能性もあるというのが興味深い。
そういえばパキスタンの地震もカシミール関係に影響がありそうだ。


それからある地域で紛争が起こったときに、どこかから兵器を集めてきて
終結すると売り飛ばしてどこかの地域の新たな火種になるというのが
興味深い。考えてみれば当たり前のことなんだけど。
紛争が終結したら武器を買い取って廃棄する団体があるけど、
せっせと兵器を作って輸出している企業もあるわけで、
なんか人間って非常にむなしいと思った。


ともかく世界のいろいろな地域の紛争や環境問題、貧困問題について
データが出ているので、非常に参考になる一冊である。
イカリングなんか買うよりこっちの方がいいんじゃないだろうか。