レイクサイド、さいえんす?

近頃本屋に行くとたいていどこでも東野圭吾氏の本がかなり積極的に勧められている。
ミステリ三冠とか直木賞とか白夜行などの映像化とか変身の映画化とかいろいろと
重なって、なんかこれでもかというくらいがんばって売っている気がする。
コンプリートしようとか言い始めているblogもいくつかあるようだ。
何をいまさらとはいえないか。自分だって3年前という極めて遅い時期に白夜行
読んで、毎週一冊ずつ買って文庫をコンプリートしたわけだから。


最近出ていた文庫を二冊買って読んだ。

4167110105レイクサイド
東野 圭吾
文藝春秋 2006-02

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お受験がらみのお話。たしか映画化されてた。別に面白くないってわけじゃないけど
なんか軽めの展開で、なんかさらっと終わってしまった。伏線がいろいろと仕込んで
あるのは東野作品の読みすぎが原因か知らないけど読んでいてわかってしまったが、
ラストはさらにもうちょっとひねっていた。なんか好きになれなかったのはお受験ネタ
に嫌悪感を抱いたからかもしれない。お受験を茶化しているのはいいと思うけど。
4043718039さいえんす?
東野 圭吾
角川書店 2005-12

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ダイヤモンドLOOPと別の雑誌に連載されていたエッセイを収録したもの。
この人は電気系学部出身で日本電産で何年か働いてから作家になった人だったと思う。
バックグラウンドが一緒だからかもしれないけど非常に共感できた。とても参考になる。
「誰が彼らの声を伝えるのか」みたいなタイトルのやつが一番興味深かった。
理系、文系というくくりはどうかと思うんだけど、大雑把に言ってそんなに間違って
ないと思うので利用する。文系の人々は自分たちが学生の頃苦手だった数学や理科が
できる理系の人々がそーゆーことを活かした仕事をしているんだから非常にお金を
稼いでいると思っているんだとか。あと、文系的な考え方をする人々は
別に工場がどうなっているのかとか構造がどうなっているのかとか全然興味がなくて
技術が勝手に発展すると思ってるとか思ってないとか。そういう無知、無関心を
なんとかするために理系と文系の間の壁を越えた人には地道にがんばっている
理系の人の声を広く伝える義務があるとかそんな話。納得。