幸せって、なんだっけ

親からもらった本。冗長でややいまいちな気もするけど
所々面白いところがあったので、紹介することにする。
書いている人は、ナマケモノ倶楽部の人。数年前に雑誌の連載で見かけて
なかなか面白いなあと思ったのは、この集団の考え方。

ナマケモノ倶楽部(ナマクラ)は、1999年7月に生まれた市民団体(NGO)です。
目指すは
 「ナマケモノになろう!」
 「クジラを救おう」とか「ゾウを守ろう」など、絶滅の危機にある動植物を保護する運動は数多く存在しています。しかし、わがナマクラでは、世界で初めて、ある動物を守るだけではなく、ついでに「それになってしまう」という運動を展開しようと思うのです!

ナマケモノ倶楽部とは

他はまあいいとして、ここだけ非常に面白いと思った。
「〜のために」とかじゃなくて、「自分がなる」ってのが好き。

幸せって、なんだっけ 「豊かさ」という幻想を超えて (ソフトバンク新書 72)
幸せって、なんだっけ 「豊かさ」という幻想を超えて (ソフトバンク新書 72)辻 信一

おすすめ平均
stars限度があるでしょ
stars書いてあることはまともだけど....
stars豊かさとはゆったりした時間のこと
stars豊かと幸せはイコールではない。
stars「幸せ」を考えるための地ならし

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というわけで、新書1冊まるごと幸せについて考える本だ。

100人いれば100通りの幸せ観があり、その各々の人も時と場合によって感じ方や考え方がしょっちゅう変わる。だからどんな言葉の定義でも、人類学者に言わせれば、「いや、そうとは限らない」、「でも、こんな場合もある」、「こんな文化もある」……。
人類学は差異を好む。差異があればこその人類学。人類学から差異を除いたらほとんどなにも残らないくらいだ。
ついでに言っておけば、たくさんのちがいがあればあるほど、つまり多様であればあるほど、世界は豊かだ、と多くの人類学者は感じている。

これは同感だな。自分が旅に出る理由の1つはこのあたりにある。

「豊かさ」には、もうこれでいい、という到達目標がない。経済は成長し続けていかなければならない、と考えられていて、それには終わりがない。そして、しまいには「豊かさ」とは成長(英語のgrowth)そのもののことだ、と思われてしまう。

ラットレースに入り込んだって、きりがない。会社に入ってすぐ、そう思った。
もっともっとって言ったって、欲深さで期待値が上がって、満足度が下がるだけ。
誰かに煽られて作られた欲望に突き動かされるのはばかばかしい。
(どこまで本当かわからないけど)自分の内なる声に耳を傾けたい。

米国食品大手ハインツのCEOは「フォーチュン」誌にこう言ったそうだ。「テレビさえあれば、人種とか文化とか育ちとかにかかわらず、いずれ似たようなモノを欲しがるようになるものだ」

これは面白い。確かにそうだ。よくわかっている人だ。
読んでばかりだとインターネットだって同様だ。一方通行だから。
でもインターネットで自ら発信を始めると、話は変わってきそうな気がする。
個人的に興味があるのはその辺り。一人一人が自分の頭で物事を考えて
いろいろ発信し始めたら、世の中もっと楽しくなりそうだから
テレビが嫌いで、ネットが好きで、自分の言葉を発信する人がもっと好きなのだ。

受動的な消費者の役割にとどまっていたくない。自分の好みやセンスに忠実で、なにごとも自分でやることを優先する。創造すること、学ぶこと、体験することを欲し、特に住空間とアートと食に強い興味がある。

というのがカルチャークリエイティブ(CC)の価値観らしい。わりと近い。

マクドナルドに行かないのは、それがただ単にゴミを出しすぎるから、または健康によくないから、ではなく、その空間が悪趣味で、味がまずいと感じるからでもある。

CCの行動は、「どうあるべきか」という原則へのこだわりよりは、どちらかといえば「どうしたいか」のほうに基づいているようだ。

頭の中だけであれこれ考えたり、口だけでああでもない、こうでもない、と言うよりは、自分の体を実際に動かし、実践を通して自分の思いを確認したり、表現したい、という欲求が強いのだろう。特にCCは、買うことより、つくることに強い興味をもっている。

この辺りに共感した。お金がどうのこうのとか、環境がどうのこうのってのは
個人的にあんまり重要じゃなくて、自発的に行動するかどうかってのが
これまでもこれからも大切なんだと思ってる。