もし僕らのことばがウィスキーであったなら

妖怪大談義と一緒に買った本を読み終えた。
村上春樹のスコットランド・アイルランド旅行記  ISBN:4101001510
読んでいるとウィスキーが飲みたくなったり、旅に出たくなったりした。
ちょっと単純すぎる反応かもしれないけど。


はじめてこの人の本を読んだのは小学生の頃。羊男のクリスマスという絵本。
中学か高校か忘れたけど、村上朝日堂を着々とそろえていって、
羊をめぐる冒険買い、世界の終わりとハードボイルドワンダーランドとか
ノルウェイの森とか読んでいたような気がする。大学3年あたりから
風の歌を聴け1973年のピンボール、ダンス×3、スプートニクの恋人
レキシントンの幽霊、蛍・納屋を焼く・その他短編、ねじまき鳥のクロニクル
まあこのあたりを読んで、海辺のカフカを2月か3月に読んだ。
中国行きのスロウボートとかも読んだと思う。何も調べずにここまで書けたので
タイトルをちゃんと覚えてたようだ。そういえばやがて哀しき外国語ってのも
読んだ。いろいろと考えればまだ思い出すかもしれないけど、まあ
8割くらいは読んでいるんじゃないかと思う。


何がいいのかよくわからないけど、これだけ読んでいるということは
きっとこの作家の作品が好きなんだろうと思う。強いてあげるならば
キャラクターと文体だろう。他人の価値観にとらわれず、自分の好きなように
基本的に何でも一人でこなしていくキャラクターが多くて興味深いし、
大抵どいつもこいつも自分のまわりの半径数メートルだけ平和だったら
あとはどうでもいいって感じで非常に自分に通じるものがある。
ゆるめのはっきりしない文体だけど、ぼんやりとした何かがちゃんと
伝わってくるし、比喩がなかなかおもしろい。この日記の文体をもうちょっと
春樹調で書こうと思えば書けないこともないけど、まあいいか。
これだけ読んでいるからきっと影響は受けていると思う。


で、この旅行記だが、スコットランドとアイルランドの間にある
アイラ島という島がメイン。ここでしかシングルモルトウィスキーは
できないそうだ。ここのウイスキーがスコットランドに輸出されて
ブレンドされて世界に行くらしいけど、そのエッセンスである
シングルモルトが一番おいしいからここの人はブレンドなんて飲まないという。
なんか文章を読んでいるだけで非常に行きたくなってきた。
困ったものである。