特許関連で訴えられたらどうするかとか、twitterの例とか。

先日、twitterを訴えている会社の特許を潰そうと書いたが、もう少し具体的に書くことにする。ちなみに、特許を潰すというのは、訴えられたときに取る手段の一つではあるが、唯一の手段ではない。ごねる、潰す、もらうというのがポピュラーだと思う。
「ごねる」というのは、あんたのとこの特許に書いてある技術なんて使ってないよ、と言い張ること。文句を言われたのでやり方をちょっと変えました、もうあなたのとこの技術は使ってないです、というケースもあるかもしれない。とにかくうちでやってることは、あんたのとこの特許に書いてある技術と関係ないよと主張するってこと。
「潰す」というのは、自分のやってることと、特許に書いてあることは関係あるかもしれないけど、その特許の存在自体が無効だから金払う必要ないと主張すること。特許を出した時点で、既にそういう技術が知られていたと主張することもできるし、特許の手続きに不備があったと主張することもできるかもしれない。
「もらう」というのは、買収すること。特許だけを買うか、会社丸ごと買うか、まあいろいろあるだろう。まあこれらの手を打たずに、ライセンス契約をしてお金を払うという手もある。どれが一般的かはよく知らない。
twitterの件は、特許の技術とは関係ないとごねることができるかもしれない。でもOne Article Partnersというところが請け負っているのは、特許を潰すことである。情報提供の締め切りは2009年10月19日。とりあえず関わっている3つの特許について見ることにする。

Techradium Inc. has sued Twitter for allegedly infringing US Patent No. 7,130,389, US Patent No. 7,496,183 and US Patent No. 7,519,165.
〜中略〜
These patents are related. The '183 Patent and the '165 Patent issued from continuation-in-part applications. This means that new disclosures were added to the applications. Thus prior art dated as late as December 16, 2007 may be relevant to the later patents.

米国特許については、google patentsが早くて見やすくて便利だ。あと、7桁もいちいち言うのが面倒なので、下3桁でその特許を表すことが多いような気がする。389特許がこの中で最も古くて、183特許と165特許が389特許に付け加える形で、その後に出されたようだ。そんなわけで基準日は2007年12月16日である。

Techradium claims that the patents cover a "mass notification" system. According to the complaint, Twitter’s system (aka “tweeting”) infringes on the systems and methods of the ‘389, ‘183 and ‘165 patents. Tech Radium also refers to its system as IRIS - the Immediate Response Information System - which "simultaneously delivers uniform, reliable and verifiable emergency messages to an unlimited number of contacts within seconds, across all means and devices of communication."

Techradium社が言うところによると、この3つの特許は、一斉通知(mass notification)システムに関連していて、Twitter社のシステム(tweeting)は、389特許,183特許,165特許のシステムと方法を侵害しているとのこと。ちなみに特許というのは、ものとか方法とかの独占的な権利なので、○○××する方法とか、○○××するシステムとかの権利を取得しているということだろう。それからTech Radium社は、このシステムをIRIS(即時応答情報システム)と呼んでいて、これは「あらゆる通信手段、装置を通じて、一様な信頼できる検証可能な緊急メッセージを無制限の相手に同時に(数秒以内に)送信する」システムのことを指すようだ。
こういうシステムを学校とか地方自治体とか米軍とかがこれまで使っていたのに、twitterに乗り換えてしまったから危機感を抱いていて、訴訟という手段に出たんだと思う。この学校とか地方自治体とか米軍とかが、twitterのアカウントを取得してtweetをすれば、followerたちにほとんど同時に一様なメッセージを送信できるとは思う。Emailでもいいような、そもそもtwitterって信頼性低い気がするが。