GFIP2013 2日目(特許という資産)
全体セッションその4
この会合のスポンサーの一社でもあるマイクロソフトの知的財産部の人が話していた。知的財産の保護というのは重要だとか、かの有名なホビーストへの手紙とか。ここでなかなか興味深いと思ったのは、マイクロソフトはオープンイノベーションを推進しているが、アマゾンやグーグルは主としてクローズドイノベーションを行っているという主張。具体的には、アマゾンやグーグルの収入源は物販や広告だから特許の保護を弱体化する方向にインセンティブが働くという。ことあるごとにマイクロソフトは多くの会社とライセンス契約をしてオープンイノベーションを行っていると言ってたのが印象的。
別の人がアジアでの出願数が増えて、ロイヤリティも増えてるとか言ってた。投資家にとっても選択肢の一つになってきているんだとか。IVのファンドのことだろう。
それから見てて面白いと思ったのは、IPVALUEの人が出していたIP Monetization Eco-systemの図。Patent Owners, Licensees and Buyers, Patent Monetization Entities, Patent Focused Financial Groupsの4つでぐるぐる回っているのがなんか新鮮。その4つのうち新しい2つを詳しく説明しているのをみて、気がつけばこんなにプレイヤーが増えていたのかと思った。自分の将来の方向性について嫌でも考えさせられる。
このセッションの最後はSMUの教授。聞くところによると先日まで会社でインターンをしてた人はこの教授の下で学んでいるらしい。
初っ端からエジソンの言葉“a patent is nothing but an invitation to a law suit”を引用していて笑える。それからJames WattのビジネスパートナーであるMatthew Boultonの存在を初めて知った。このへんの歴史を振り返ってみるとかなり面白そう。この教授の話は全体的に、そんなに浮き足立たずにもうちょっと冷静にやりましょうという雰囲気。どうせこれから先も問題山積みなんだしと。それからIP in USAとIP in rest of the worldは全然違うよーとも言ってた。これはよく言われる話。あとレゴもボディショップもアップルもコピーからイノベーターになったわけだし、ソニーだってトランジスタをライセンス供与してもらって大幅に改善したんだし、タイの小さな栄養ドリンクだって国際的に展開させられる人と組むことでレッドブルになったわけで、なんでも一人でやって独り占めしようとするんじゃなくて、協力してやればいいんじゃねと言っていて非常にしっくりきた。