45分あれば粉からお菓子が生成できる

ヨーグルトを頻繁に買いに行くのが面倒になってヨーグルトメーカーを買ってヨーグルトを作り始めたと先日書いた。在宅勤務をしていると家でちゃんとコーヒーを飲みたくなって、電動グラインダを買ってブルートーカイの豆を買って日々飲んでいる、という話は今度書こう。コーヒーがあると、お菓子が食べたくなってくるので自分で焼くか、となってスコーンを焼いた。今日はその話。

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ロックダウン開始後からずっとお菓子を焼きたかったのだが、家にキッチンスケールがなく、さすがに目分量でお菓子を作れる自信もなかったのでしばし停滞していた。しかし、ロックダウンが緩和されてAmazonから普通の荷物が届くようになって家にキッチンスケールがやってきた。ちょっと怪しいが一応使える。

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そこで以前作っていたティム・オライリーのスコーンレシピをインドでも作ることにした。http://pho.hatenablog.com/entry/2014/12/08/231903

インドだと小麦粉の種類が多いのだが名前が違っていて厄介。中力粉、Plain flourに相当するのはMaidaのようである。今のところ2回ちゃんと焼けたので多分合ってる。ベーキングパウダーを買うのも苦戦したが、BakeryKartというオンラインマーケットプレイスで購入に成功した。ただしここで買った他のものはまだ届いていないので、それほどおすすめとは言えない。

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ケチケチせずに小鉢を大量に使って、最初に計量すべきものを全部計量してしまうのがいい。その後の手間がぜんぜん違う。

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結局この電子レンジのオーブンだとそこまで温度が上がらなかったので、ちょっと小さいけどオーブントースターで2回に分けて焼くほうが良さそうだと思った。どうせ10分程度だし。

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マンゴーとかジャムとかヨーグルトとか並べてみたが、マスカルポーネチーズも良かった。

このレシピ、材料が家にあったら、計量してざっと混ぜて成形するまで30分。オーブンに入れて焼いている間に食器の片付けができるので、全行程45分もあればできてしまうお手軽さが素晴らしいと思っている。粉からお菓子を生成するスキル、何かを自らの手で生産するスキルがあれば、どんな状況でもきっと退屈しないだろう。

創客兄弟にみる特許侵害訴訟対応

昨年末に深圳で見た映画「創客兄弟」は非常に面白く、見た翌日に華強北に聖地巡礼に行くくらい楽しめたのだが、仕事の関係上、特許侵害訴訟に関する部分でどうしても引っかかるところがあり、野暮とは承知しつつも思ったことを書き残しておくことにする。映画の詳細はこちらのサイトが詳しい。https://diamond.jp/articles/-/225511 

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そもそも特許侵害訴訟とは、特許を持っている人(特許権者)が、特許に規定された範囲内の技術を許可なく使用する人(侵害者)に対して、止めるように訴える訴訟である。

基本的な流れとしては、特許権者がCease and Desist letterという停止通告書を侵害者に送付し、それに対して侵害者がなんらかの応答をするところから始まる。このような停止通告書を受け取ったとき、一般に「ごねる」「つぶす」「もらう」という3つの対応が考えられる。この3つの対応のどれも無理だった場合、諦めて言われた通りにするという流れになる。

まず、「ごねる」とはどういうことかというと、そんな技術を使ってないと主張することである。より具体的に言えば、特許文書において規定されている技術と、実際に製造販売している製品に使用されている技術とを比較して、製品では別の技術を使っていて特許文書に書いてあるような技術は使ってないと主張することである。特許の内容をよく知り、製品の内容をよく知り、違いを明確に論理的に主張すればいい。

続いて、「つぶす」とはどういうことか。その前に特許とは何かを簡単に説明しておこう。特許を出願した時点で世の中にない新しい技術を公開する代わりに20年間の独占権が与えられるシステムである。一応審査官により、世の中にない新しい技術かどうかの審査が行われるが、もちろん審査は完璧ではないので、誤って特許になるものもある。そこでその特許が世の中にない新しい技術じゃないのに誤って特許になったものだと主張して、特許を「つぶす」のが次のアプローチである。そのためには、特許を出願した時点よりも古い文献の中から特許の内容が書いてあるものを探し出し、その技術が既に世の中にあったと証明する必要がある。

最後に「もらう」というのは、特許をお金で買い取るとか、特許を持っている会社をまるごと買い取るとか、そういうこと。財力があって、製造販売を止めたくなかったらこういう手段もあるということ。

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さて、創客兄弟であるが、いろいろ謎が多い。

弁護士から林社長にレターが届くわけだが、そもそも開発中の外に出していないロボットに対して、なぜ特許侵害と言えるのか謎である。通常、こういうレターは既に市場に出回っている製品を分解して証拠をつかみ、それを根拠に送ってくるものである。どこから情報を入手して来たのだろうか。牛肉火鍋のシーンでSNSのモーメントに写真をアップロードしたという話が出てくるが、そんなちょっと公開された写真で特許侵害を立証できるほど楽じゃないよと言いたくなった。

次に、主人公許開は、林社長からもらったレターの情報から先方と連絡を取り、穏便に解決しようと提案して拒絶される。このとき上の「もらう」アプローチも提案している。翌朝林社長が許開のところに怒鳴り込んできて、許開が個人的にやったら商業賄賂じゃないかと懸念を示す。これは中国特有の話なのでよくわからないが、なぜ特許を買い取ると商業賄賂なんだろうか。不正競争行為は特に見当たらないような気がする。

そして林社長はプロジェクトの停止とチームの解散を宣言する。続いて牛肉火鍋のシーンで許開がチームメンバーに解散を宣言する。ラボに戻って、許開は、このロボットには様々な独自開発の技術が含まれているとChristinaに話し、特許について確認してくれとChristinaに頼む。火鍋食べる前に、相手方にメール出す前に、まず特許読もうよ、なんで今さら読んでるのと言いたくなった。相手方の特許の中身を一切読まず、そもそも存在自体も確認せず、これまで何をやってたのと言いたくなる。

このあとChristinaがファイルを持って行ったり来たりしていろいろ検討しているが、このシーンが最も謎だった。君たちは一体何をしているのか。相手方の特許の中身を知るには、黙って座って書類を読み込む以外にすることないじゃないか。

Christinaは中国特許庁のサイトを確認し、その特許が実在すること、そして19自由度のサーボステアリング技術を使っているし、ちょっと古い技術を使っていると確認する。それを聞いて即座に許開は特許の技術が自分たちのロボットに使われている技術と異なることを理解し、ホッとして倒れ込む。Christinaが特許を読み終えるまで許開が何をしていたのか謎すぎた。

さて裁判だが、原告は被告に対し、侵害行為を停止して、賠償金1000万ドルを支払えと主張。結局認められなかったがこの賠償金の金額が謎すぎた。損害賠償の算定方法はいくつかある。

1.被告の行為により原告の製品の売上台数低下による損害

2.被告の行為により被告が得た利益

3.実施料相当額

大体この3パターンあるのだが、本件ではまだ開発中で一台も販売していないロボットなので、仮に原告の製品があったとしても売上台数に影響なんて出ないし、被告は何も利益を得ていないし、実施料という段階でもないので、どう計算しても損害はゼロにしかならない。一体どこから1000万ドルが出てくるのか。スラップ訴訟だろうか。

一方被告である許開は、中国はもはやコピーキャットではない、華強北は最先端だという名演説をするわけだが、これ特許訴訟と何の関係があるんだろう。華強北だからコピーしているなんて先入観はもうやめてくれ、というメッセージなのだろうか。

といったところだろうか。野暮なことを長々と書いたが、要するに許開はさっさと特許を読め、というのが結論かもしれない。(いくつか聖地巡礼写真を貼ったが特に意味はない。)

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ヨーグルトメーカーがやってきた(6年ぶり2回目)

インドロックダウン生活も2ヶ月になる。なにやらヨーグルトの消費がやたらとハイペースになってきて、いちいちヨーグルトを買いに行くのが面倒になってきた。インドのヨーグルトは安いがせいぜい400gのサイズがメインなので、いつもたくさん買わないとすぐになくなってしまう。

ではいっそのこと家で作ろうかと思ってヨーグルトメーカーを買った。Yogurtの機能しかまだ使ってないが、Wine/nattoの方はきっと温度が違うのだろう。

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ヨーグルトメーカーも2台めとなると解像度が上がってくるので細かな違いも見えるようになってくる。あんまり安いやつだとタイマー残り時間の表示がないが、あれがないと動いているのかもよくわからないのであったほうがいい。

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容器の熱伝導性については、使ってみるまで気が付かなかった。容器を熱湯で消毒するのだが、以前使っていたプラスチック製と比べて金属製の容器だと熱伝導性が高く、熱すぎて外から容器に触れるのが困難。というわけで熱湯消毒がやや大変である。f:id:pho:20200513162716j:plain

いくつかパラメータを振りながらインドでの自分好みの最適条件を見出そうとしている。

第1回 - 種菌(ヨーグルト):Nestle a+ nourish; 牛乳:Amul Gold; 時間:12時間

第2回 - 種菌:Epigamia Greek Yogurt; 牛乳:Amul Gold; 時間:12時間

第3回 - 種菌:Epigamia Greek Yogurt; 牛乳:Nestle a+ nourish; 時間:12時間

第4回 - 種菌:Epigamia Greek Yogurt; 牛乳:Amul Gold; 時間:11時間

 

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第3回、第4回では、停電により途中で止まったため、十分な時間が取れてないと思われる。

UPSを導入するなど、実験環境の安定化も検討する必要がありそう。

それでもそこそこちゃんとできるような環境になったので満足した。

参考:6年前の記事

2018年3月中国滞在まとめ(深圳、東莞、汕頭、張家界)

あとでたどりやすいようにまとめページを用意しておこう。とても充実した11日間だったのがよくわかる。やはりおすすめは武陵源と天門山だろうか。

316日いつもの深圳

http://pho.hatenablog.com/entry/2020/04/25/184233

317日 電気街

http://pho.hatenablog.com/entry/2020/04/25/190450

318安室奈美恵巡回告別独唱会 in 深圳湾体育中心 

http://pho.hatenablog.com/entry/2020/04/26/153148

319日東莞の工場へ

http://pho.hatenablog.com/entry/2020/04/26/230753

320 ELECROW, JENESIS, 汕頭

http://pho.hatenablog.com/entry/2020/04/30/225339

321日汕頭玩具展示場

http://pho.hatenablog.com/entry/2020/05/01/185708

322日 深圳ビール屋巡りからの張家界

http://pho.hatenablog.com/entry/2020/05/02/222901

323武陵源

http://pho.hatenablog.com/entry/2020/05/04/000019

324日 天門山

http://pho.hatenablog.com/entry/2020/05/05/025238

325日 深圳で良さげなビール屋を探したが、見つからなかった話

http://pho.hatenablog.com/entry/2020/05/06/012027

326日 華強北のカフェ

http://pho.hatenablog.com/entry/2020/05/09/230919

2018年3月26日華強北のカフェ

蘭州拉麺の店でご飯物を注文することも多い。

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コンビニで飲むヨーグルトをよく買う。

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電気街で工具の店に行った

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観光バスに普通の荷物が乗っていて興味深い。

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華強北のカフェにも行った

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おしゃれカフェだった

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なんか華強北に似合わず意識高い感じだった

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Huaweiショップでモバイルルーターを買った

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そして香港空港へ

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香港空港ではフードコートでタイ料理を食べることが多かったとなんとなく思い出す

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そんな感じで10日間の滞在を終えた。戦利品を並べた写真を撮ると記録としてとても良い。

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2018年3月25日深圳で良さげなビール屋を探したが、見つからなかった話

朝から空港に行き、深圳に向かう。

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いつもの宿に荷物を置き、いつもの店で蘭州ラーメンを食べる

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張家界に行く際に荷物になるからと買わないでおいたものを電気街で買ってきた

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そして旅に出る。バスに乗る。

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特に目的があったわけではないが、高徳地図でビール屋を探してた。ビアカフェみたいなのに行ってみたが普通のカフェだったのでコーヒー飲んだ。

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それから次のビール屋に行ってみた。チェーン展開しているNIU BEERだが、みたところあまりおもしろい感じの店ではなさそうと判明。

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付近を歩いていると酒屋があった。

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白酒とか梅酒とか買った。色々種類あるけど、それを見極めるほど自分の解像度は高くない。

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夜は別のBEERと書いてある店に行った。なんか思ってたのと違う。

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でもとりあえず店にある酒は飲む。

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食べ物は普通に美味しい。

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また木桶飯が食べたくなったらしく、この後別の店で食べているようだ。

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こんな感じで大して目的もなく深圳をフラフラすることが増えたように思う。

2018年3月24日天門山

天門山へ行くロープウェイの乗り場手前にドームシアターがあったので入ってみた。客は自分ひとり。

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ムササビのようなウイングスーツによる飛行を疑似体験できて楽しいが、あれ実際に飛んだらかなり怖そうだと思った。とりあえず実際に行く前に全体を見ることができてよかった。

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全体の地図があったので写真を撮ったが、雲海を突っ切っていくようなすごい地形である。

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ちなみに往路がロープウェイで復路がバスというルートとその逆が選べた気がする。

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雨で見えにくいところも多々あったが、ここで既にすごい景色だった

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更にリフトで移動。これもとても良い体験だった。スキー場とかでリフト乗り慣れてないと怖いかもしれない。

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こんな山奥にこんな広大な宗教施設があることに驚きを禁じえない。

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水墨画の世界の距離感というものがようやくわかった気がする。こんな壮大な景色は実際に見るまで想像できなかった。

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仙人がいるとしたらこういうところに住んでそうだ。

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こんなとんでもない地形の場所がきちんと整備された観光地となっているのがすごい

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下から見てもなかなか激しい

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バスで市内まで戻って、晩御飯に木桶飯を食べた。

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張家界は結局実質2日だけしか滞在しなかった。最低3日。4日あっても良かったと今は思う。湖南料理とかも全然食べてない。ともかくこれまで中国で訪れた場所で最も衝撃的だったし、世界で見ても3本の指に入るレベルの観光地なのでとてもおすすめ。