多重型人間の生き方
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昭和56年5月に発売された本を読んだ。自分が生まれた頃の本だけど
あまり古くないような気がした。基本的なことってたいした
違いはないのかもしれない。
振り返ってみると事業経営というのは8割は運でっせ 松下幸之助
こういわれてしまうとどうしようもないけど、確かにそういう
側面もあると思う。それを理解したうえで行動することも大事か。
好きだとか興味があるというのは理屈ではない。自分はこれがやりたい
これが好きだということがすべてだ。
これはなんとなくわかる。「なんか楽しそう」とかそういう感覚を
大切にしていきたい。二十年以上前だけど書いてること一緒だな。
多くの成功した経済人が左遷や病気などを逆手にとって、自己拡大に
努めたのもその例の一つといえよう。典型的な多重型人間といわれ、
多くの大きな仕事を成し遂げた松永安左衛門氏は病気、左遷、監獄が
人間のスケールを大きくするといっている。
いや、別にそこまでやりたくないよ。
仕事以外にも目的がないと人生はさびしくなる。私は学生時代から、
この人生で仕事以外のことで何か目標を持ちたいと考えていた。
まず目的を持つということは実現への第一歩でしょう。それが心の支えや
励みにもなる。山登り、それも海外の未知の登山となるとわからないことが
多い。資料を探したり、人を訪ねて教えを請う事もある。綿密な調査、
計画、それ自体が楽しい仕事である。 松下電器社長 山下俊彦氏
社長になってからも忙しいのにそこまで実行できているのが
並大抵じゃないと思った。きっと心構えが違うんだろうな。
会社が自分に何をしてくれるかではなく、自分が会社に対してなにができるかを考えて欲しい。泣く子と地頭には勝てぬというが、今の世の中地頭はいないが泣く子が多すぎる
石川島播磨重工業社長 生方泰二氏
学校と違って落ちこぼれは救えない。日々これ試験と思って欲しい。
会社の業績は個人の業績の総和です。諸君が実力を十分つけ、わが
精鋭軍団の一員に早くなって欲しい
日本石油社長 建内保興氏
これはこの年の新入社員へ話した言葉。非常にまっとうな意見。
落ちこぼれは救えないときっちり言ってくれるのがすばらしいと思う。
大体理想の職場などというものが最初からあるもんじゃない。
それは自分で作り出すものなんだ
理想を言えばそうだけど、これはちょっと厳しいかと思う。
少しずつ変えていくというならありえるかもしれないけど
ドラスティックに変えるなんてことは無理じゃないか。
まあ雰囲気は自分で作るという意識を持つことも大切だけど。
情報は捨て方を考えてから収集整理しないと帰って時間の無駄になる場合が多い
PCを使って収集するとそれほど問題にはならないだろうから
今と昔で状況は違うけど、紙で情報を集めるならあらかじめ
こういうことはしっかり考えておいたほうが良さそうだ。
相手に何を与えるかをこちらが考えることによって相手も心を開いてくる
君が熱心に通ってくるからあってやるんだが、僕だけが君に知恵を上げるのはおかしいじゃないか、君も、僕にない、何か役に立つ話をもってこい。そうでなければ訪ねてくる理由はないよ。
雨宮敬二郎氏
若いから、未熟だから何でも教えてもらえると思ったら大間違いか。
自分の得意分野をしっかりと確立して、はやく先輩に教えられる
分野を作っていけたらいいと思う。そうしないと始まらないし。
肩書きつきの人脈ほど壊れやすいものはない
早い話が、情報を得ることをレストランで食事が選ばれてくるのと同じと考えているわけだ
個人の力で情報がもらえないと、将来的には厳しいんだろうな。
食事の効用はまだある。なにげない雑談の中からホンネが飛び出してくるということがある。これも故梶山季之氏と親しかった編集者からの受け売りになるが、常々「本当の取材はメモ帳をしまってからや」といっていたそうだ。
インタビューのpodcastが面白いのはこのあたりが原因かもしれない。
録音されているのはけっこう忘れてしまうから、自然に話ができて
雑談にも熱が入り、非常に面白い話になるんだと思う。
ガツガツしない方がいいということなんだろうな
事実アメリカ、ヨーロッパでは聖書、シェークスピア、ゲーテが三大経営書といわれている。早い話が、この三冊に精通していなければどんなパーティの席でも話題に事欠くほどだという。
常識として知っておいた方がいいことって少なくないと思うけど
実際問題優先順位はそこまで上がらないような気がする。
そういう雑談はカレーの福神漬けみたいなもので、
きっとカレーに対する福神漬けの割合を超えたらおかしくなるから。
ほどほどにあるといいんじゃないだろうか。