第2回 セキュリティ

いきなりツールとかサービスとかそういうのを紹介してもいいけど、それでは根本的な解決にはならないと思うので、考え方みたいなものからはじめてみようと思う。ウェブを使い込んでいる人とそうでない人とでは、きっと普段巡回するときも違う動きをするんじゃないだろうか。その原因みたいなのを考えてみた。

  • 不安とかありそう

毎回ぺたぺたとたくさんリンクを貼っているわけだけど、クリックされているのかよくわからない。面倒だからクリックしないというならまあいいんだけど、クリックするのが不安だからやらないのだとしたら、それはなんか悲しい。mixiに居続けたい人は別にいいんだけど、出たいけど外の世界はなんか怖くて出られないとかだとちょっとさびしい気がする。ネットに対して漠然とした不安があるのなら、それを少しでも解消してもらいたい。そのためにはリスクを知ることが重要だと思う。最悪の事態を考えよう。

    • 人がらみ(人間関係の悪化、逆恨み、ストーカー、命を狙われる)
    • お金がらみ(詐欺に遭う、クレジットカード番号を悪用される)
    • PCがらみ(ウイルス感染、情報流出、PCが壊れる、データが消える)

列挙してみたら、けっこうやばいね。ネット止めた方がいいかもしれない。まあ最悪の事態をちゃんと挙げてしまえば「漠然とした」不安というのはなくなると思う。きっちりを具体化されればそれなりに対処法は考えられるし。

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この本は非常に面白くて何度も読んでいるのだが、ここで橋本大也さんが『「キーボードで悪口を打たない」というのは鉄則です。』と書いている。これだけで想定されるリスクの多くが未然に防げるような気がする。愚痴とか悪口とか書いたって、書く方も読む方もhappyになれないんだから止めた方がいい。ネットに限らずそうかもしれない。愚痴なんて話す方も聞くほうもhappyになれないんだからやめようよ。愚痴を言ってすっきりするなんてなんか間違ってるよ。
もう1つ大事なのが、ちょっと古めのネタだけどスルー力
スラッシュドット ジャパン | ITエンジニアにはスルー力が足りません
http://slashdot.jp/articles/06/10/05/0351233.shtml?tid=42

いい訓練場があります (スコア:3, すばらしい洞察)
Anonymous Coward のコメント: 2006年10月05日 13時05分 (#1032122)
2ch。
あそこでしばらく遊んでれば、スルーカなんて普通に身に付きます。
Re:いい訓練場があります (スコア:5, おもしろおかしい)
Anonymous Coward のコメント: 2006年10月05日 13時10分 (#1032128)
2chの見過ぎで人生をスルーする能力まで身に付いてしまいました。

人がみな、有り余るスルーカを持っていたら、とてつもなく無気力な文化になりそうですね

納期をスルーしたいのですが
会社からスルーされそうです

スルーが華麗に決まるのはボールの先にシュートを決めてくれる奴がいる時、ってことでいいですか?

個人的にこのあたりはかなり好き。要するに、どうでもいいことに首を突っ込むなってこと。揚げ足取りとか議論のための議論とかそういうくだらないことに時間を費やすのは、労力と時間の無駄。2chで遊ぶといいというのは非常に納得できる。2chについては第4回で書くが、これは非常に重要。ちゃんと測定したわけじゃないけど、2chの8割から9割はどうしようもないことが書いてあると思う。どうしようもないものに突っ込んでも時間と労力の無駄。相手にしない、スルーする、これが鉄則。近頃ネット全体が2ch化してきているような気がするので、相手にしない、スルーする、というのは幅広く使えそう。別に議論に参加することは義務じゃないんだから読み流せばいいし、自分が不利益をこうむらないのなら批判したくなったとしても無視すればいいのである。ひまなひとは、どんどん突っ込んでいけばいいんだけど。
次にお金がらみ。一言で言えばお金を払う仕組みがあるからなくなる可能性もあるということ。どこかをクリックしたからとか、何かを見たからってお金が減ったりすることはない。IPアドレス見たって住所なんてわかんない。どこかをクリックして、解約するためには住所と電話番号が必要ですとか言われたとして、そこで書いてしまうからいけない。要するに、そういう具体的なアクションを起こさない限り、基本的にたいしたことは調べられないってこと。オークションとかやったことないからよくわかんないけど、お金のやり取りをするところは慎重に。自分の場合は、なんか面倒なのでネットでは一切お金のやり取りをしていない。クレジットカードがなくて払いたくても払えないんだから、お金は減らない。それでも別に問題なくやっていける。
何かを送ってもらうときに自分の住所を書きたくなかったら、ウェブの私書箱を使えばいいかもしれない。
MyLetter.jp(マイレタードットジェイピー)
http://www.myletter.jp/
いったんそこで預かってもらえる。その様子をウェブカメラで見られる。住所を教えなくても、メールアドレスだけで送れるサービスがあるらしい。
メールでかんたん DD便
http://dd.prexpress.jp/
なかなか便利になったものである。
残りはPCがらみか。自分の場合は、けっこうあきらめてる。消えたら困るものは複数箇所に保存。他人に見られたら困るものはPCに入れない。いや、そもそも見られて困るものなんて存在しなければいいと思ってる。後ろめたいことなんて止めてしまえばいい。言いたいことはちゃんと言って、裏表なくやっていけば、精神衛生上一番楽なんじゃないかと思ってる。そうできない人は、いつ何がおきても大丈夫なようにいろいろ対策しておくしかないか。

  • できるということと、実際にやるということ

セキュリティだから仕方ないけど、けっこう後ろ向きのことを書いてしまった。不安が明確化されて、多少解消されたのならいいんだけど、むしろ不安が大きくなったかもしれない。それならそれで仕方ない。
インターネットなら世界中の情報にアクセスできるとかいろいろできるとか話には聞くだろうけど、できることと実際にやることとは全然違うと思う。この半年くらい、情報源の4割くらいを英語にしてみたら、非常に世界が広がったように感じた。ほとんどの情報が日本語になってないんだけど、手軽にアクセスできる。昔だったらありえないことが今ではほとんど費用をかけずにできるわけである。メッセンジャーでやりとりしたり、共同編集したり、ブックマークを読みあったり、人とつながる手段もどんどん高度化している気がする。便利な道具も増えているし、有益な情報を抽出する機構みたいなのも以前よりは発達してきているから、かなり手軽に遊べるので、危険がいっぱいかもしれないけどいろいろやってみて欲しいと思う。