ハイブリッド思考術

また古い本からピックアップ。
http://www.bk1.co.jp/product/226076

一時間ほど子供部屋で過ごし、今何が子供の心をとらえているのか、なぜそんなものを読みふけっているのかを考えてみる方がより生産的だ。おそらく、そうしているうちに子供なりのものの見方考え方をつかむ手がかりが得られるかもしれない。

自分に理解しにくいものでも売れている、ひきつけているからにはそれなりの理由が
あるわけで、それらを理解してみようと試みるのは重要ということか。

もし他人が自分の嫌いなものを好んでいるのなら、なぜ自分が嫌っているのか、
なぜ他人が好んでいるのかをじっくり考えてみるといい。そこから今まで思ってもいなかった人やものに関する長所を発見することがあるに違いない。なぜ他人は自分の嫌いな番組を熱心に見ているのか、わざと自分の嫌いなテレビ番組を見ることによって人気の秘密を自分なりに探り当てることも可能である。

自分の嫌いな番組からでも何か得られるかもしれないけど、別に誰もがヒット商品の
研究をやっているわけではないし、コストパフォーマンスを考えるとやや疑問。

問題集は答えを先に見てそのとき方を学ぶのも数学力をつける妙法 森毅

これは当たり前かと。

猿が一体何を得て人間になったのかという形で研究を進めたが、少しも発想が浮かばなかった。
ところが逆に猿が何を失って人間になったのか、というふうに考えてみたら続々と発想が湧いてきた。
今西錦司

この視点は非常に面白い。プラスとマイナスの両方を考えてみるのは
非常に効果がありそうな気がする。ものの見え方が大きく変わりそう。

第二次世界大戦末期旧日本軍情報部が流言飛言の伝播速度を調べるために米軍の本土上陸近しというデマを故意に流す実験を試みた。驚くべきことにこのデマは口コミによってわずか三日ほどで全国に広がり、とりわけ情報の乏しい農山村地帯ではパニックに陥りかけた地方もあった。

これはひどいな。実験するサイドとしてはかなりおもしろそうだけど。
情報が足りないといろいろと不安になってパニックに近くなるのかもしれない。
情報を確保するということが自己防衛の一つになるんじゃないだろうか。

昔の人々はササの花を不吉なものとしてひどく恐れていた。ササ類の開花期は三十年、六十年、百二十年と三の倍数になっているがなかでもクマザサは120年ごとに開花し、小麦と同じくらい栄養価に富んだ実をつける。このため、山野にクマザサの花が咲いた年は、野ネズミが異常繁殖しやすい。異常繁殖によっては数億、時には数百億に膨れ上がりることもあるねずみ軍団はササのみを食べつくすとえさを求めて人里に檻、田畑を荒らし、果ては人畜を襲うこともある。江戸時代まではこうした野ネズミの異常繁殖によって一地方が壊滅の危機に瀕することも再三ではなかった。それゆえにササの花は不吉なしるしとして人々に恐れられたのである。

これは聞いたことがある。身近な小さい流ればかりを追っていると、そのまわりの大きな
流れを見失いがちなので、異なる時間の感覚も存在するということをある程度意識したい。
そう考えると歴史ってのはけっこう大事かな。歴史は繰り返すわけだし。